銀土小説
□ディズニーシーの奇跡 そのよん
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センターオブザエースに乗るまでの間、皆で仲良くミッキーとミニーの形をしたアイスを食べ、ようやくチャストパスで中に入った。
そのジェットコースターは…、
「ひゃっ」
「うるせーよ土方コノヤロー!!」
地球の中心、という名前の通り、そのアトラクションは地下深くから地上に向かって上がっていくような感覚が楽しめるジェットコースターだった。
俺達は一番高い所へ行くまでに様々なグロい生き物(作り物)に出逢った。
まぁ、そんな事はどうでもいい。
大事なのは、それに土方がビビりまくっている事実だけだ。
よく思うけど、土方って怖がりだよな。
価値観が女の子っぽいっていうか。
あまりにも可愛いので肩を抱き寄せてみる。
ってお前、突き飛ばすなアアァアァア!!!
「うるせーよお前さっきから何がしたいんだよッ!?」
「すいません…、俺といちゃついてくれませんか?」
「反省の意味わかってねーだろ!!」
土方は熱く言い返していたが、途中で恥ずかしいのか口を閉じる。
このアトラクションは六人乗り。
なので、ここに居合わせているのは知り合いしかいないのだ。
みると、沖田達が土方を見てニヤニヤしている。
可哀想なので俺も口を噤むことにした。
いや、でもさ。
それにしても長過ぎね?
いつまで経っても最頂部に辿り着かないんだけど。
てか、止まった…?
「アレ、止まったな総悟。」
「何言ってんだィバカ杉ィ。前来た時もそうだっただろうが」
マジで止まったのか?
「あぁ、思いだした。」
「バカ杉、なんで止まったんだ?」
「そっか、土方は来た事ないんだよな。多分詰まっちゃうからじゃないのか?」
「ふぅん。調節してるのか。……でもこんな所で止まって欲しくないな…」
そう言われて我に返ると、そこは不気味に赤く光る空間だった。
「大丈夫土方。いざとなれば俺に抱きついて…うおっ!!?!」
カッコ良く言おうとしたらジェットコースター急発進。
ドンドンスピードを上げていく。
「皆ァー、もうすぐだぞー!!」
…え、何?
何がもうすぐなの!?
え、ちょっと待てッ!!
つか高くね?
「…銀時」
横には、可愛い顔でこちらを見る土方。
だが、それが見えたのも束の間で。
真っ暗闇になり、そして。
「ギャアアアアアア!!!!!!!」
皆の声が重なり、浮遊感に襲われる。
浮いた後は、…落ちるだけ。
「楽しかったな、皆!」
降りたとたんヅラがこう言ったが、同意したのは沖田と土方だけだった。
「ダメだ、俺もう死にそう」
「ヅラァ、お前よくカツラ取れなかったな」
「ヅラじゃない桂だ。あとこれは地毛だと言ってるだろ。」
「その不自然なロン毛がワリーんだよ」
「訴えるぞ沖田。それにしても神威もバカ(杉)も銀時も情けないなぁ。」
「そだよね。俺は楽しかったよ、桂。」
土方はヅラに満面の笑顔を向ける。
羨ましいなぁヅラの野郎め。
土方の笑顔って実はレアなんだぞ…。
「土方さんもう克服したんですかィ。チッ、つまんねーの」
「…ん、まぁ、皆といれば怖くないかなぁ、って」
……ぇ、まさか、
「何だよ土方。旦那と居れば怖くないんですかィ。お熱いこった。」
「なっ……、違うぞ!!」
この反応は。
もしかしてのもしかしてですね………、
「それが旦那と居れば怖くないって証拠でさァ。」
ジェットコースターで吐きそうになっていた青白い顔が、一瞬で血色づいたのが自分でもわかった。
「よし、ジェットコースター最高だッ!!」