銀土小説

□ディズニーシーの奇跡 そのご
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「そろそろお腹空かない?」

そんな神威の一言で、俺達は夜兎じゃなくても腹が減っていたのに気づき、ファーストフード(何故ディズニーでファーストフード?)をたべ、その後、水の上をクルクル回るアトラクションに乗った。


それはまぁ、残念な結果に終わったのだが。


まず、込んでいたためか「三人ずつ乗って下さい」と言われたため、公平に俺はヅラとバカ杉、土方は神威と沖田と乗り込んだために、土方の可愛い顔をすれ違った一瞬しか拝めなかったのだ。
(俺の目的って何なんだ?土方なのか?)

更に、中にある小さな滝に突っ込んで、三人仲良くびしょ濡れになったのもある。
(土方達はびしょ濡れルートじゃなかった)


そんな事があってテンションダダ下がりな俺だったが、土方はそれを見かねたのか、「ちょっと甘いモノを飲もう」と言い出した。
うわっ、土方最高。

そこで「レモンティー&ゼリー」という飲み物を買ったのだが…

「氷だぞコレ」

その飲み物の過半数は氷で形成されていて、炎天下だから良かったものの冷たかった。
ちなみに俺はおいしいと思った。「ぁ、もう俺ダメだ」
とうとう土方がギブアップ。
元々アイツ甘いもの嫌いだもんな……

そう思っていたが…

「ん?土方飲まないの?じゃあ俺がもらおっかなぁ〜」
そう言って土方飲みかけのジュースを飲む男がいた。

「てめっ神威!!何土方の飲みかけゲットしてんだよ!?!!」
「んー別にいいじゃん。減るわけでもないし」
「減りますゥー!!俺のガラスのハートが粉々になりますゥー!!」
「まぁ待て、神威が飲みたいって言うならいいじゃないか。」

ヅラもそう言って神威を庇うし。

コイツにとって、神威の幸せは、自分の幸せなんだろう…。

ヅラの背後からVサインを送る神威を見て、奴らはこうやって自分と恋人の幸せを噛みしめたかっただけなんだろうな、と思う。

土方達も、そんなヅラと神威を微笑ましそうに眺めていた。

俺もなんだか、勇気をもらった気がした。

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