銀土小説

□愛とは信じるということ
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秋晴れの爽やかな日の朝。

俺は自分の恋人のいる真選組屯所に向かって歩いていた。
ただなんとなく、アイツに、土方に会いたくなったのだ。
俺と、愛しのハニー(男だけど)的存在の土方は、時間だけを見れば、かなりの長期を経て、今に至っている。
本当のところ、俺の一方通行片思いが長かっただけなんだが。

実は、俺には一つ、土方にしてもらいたい事がある。


「おはよー土方!!」
躊躇いもなく屯所に突撃し、(門番はこの光景が日常化しているせいかため息をつきつつも俺を黙認した)勢いよく副長室の扉を開ける。
『っ、いつもいつも勝手に入ってくんじゃねぇ!!』

「……あれ?」
いつもなら土方はツン全開でこう言ってきて、俺が土方を宥めて終わり、みたいな流れになるのだが…
書斎に突っ伏していた土方は、俺が扉を開けるとビックリしたように体を震わせた。
そして、無言で立ち上がり、俺が開けた扉から外へ出て行ってしまった。


………………え?
これってもしかすると、

俺、土方に嫌われた?


だって普通俺の面みて逃げるなんて嫌われてるって思うじゃん!!!
ん!?
しかもアイツ、一回も俺と目ェ合わせてないぞ!?
俺のこと嫌いなの?
嫌いなのか!?

俺は、土方の理解不可能な行動に、ただただ自己嫌悪感を募らせる事しかできなかった。
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