その他の物語
□似た者同士
1ページ/2ページ
「……何だ貴様は」
「お前こそ何者だ」
「ちょっとちょっと、ミューちゃんもちーちゃんも睨み合ってないで仲良くいこーよ! ねぇ? オッキー?」
「…………何、それ僕のこと?」
「あったり前じゃない! もちろんきみのことだよぉ☆」
「……斬っちゃうよ?」
「コワッ! オッキー、発言が怖いよぉ……。あぁ! ごめんなさいっ! 刀抜かないで!」
「その辺にしておきなよ、バカに構ってると馬鹿だと思われるよ?」
「アイアーイ! それは少しひどいんじゃないのっ!?」
「大体、レイジも構う相手ちゃんと見てから構いなよ。どう考えても手出したら怪我する相手でしょ」
「だって! 声が一緒なんだよ!? ぼくも一番組組長沖田総司! とか言いたいっ」
「一緒にされたくないんだけど?」
「ぼくなら言い間違いしないよっ!? 自分の名前は間違えないさっ」
「……僕の黒歴史蒸し返すなんて、よっぽど切られたいの?」
「うわぁ!? ごめんなさいっ」
「そんなことより、お前は誰なのだ」
「ふんっ。貴様から名乗れ」
「ああ。もう、喧嘩しないのっ。ミューちゃん、こっちの目の紅い人が、風間千景。ちーちゃん、こっちの目の青い人がカミュ。わかった? 二人とも」
「かみゅとか言ったか、貴様」
「だったら何だ風間」
「ふん。俺は西の鬼を束ねる高貴な存在だ。敬うがいい」
「ふんっ。俺が敬うのは女王陛下のみ。それに俺は伯爵という地位がある。貴様なぞ敬うに値しない」
「何だと?」
「何だ?」
「もう、二人とも! 威圧的すぎるよっ」
「なーんか、威圧的だし、馬鹿っぽいし……キャラ被ってない?」
「確かに被ってるかもね。髪の色も似たようなものだし……それに――」
「「単純だし」ね」
「ちょ、ちょっと二人とも、言いすぎだよっ。ミューちゃん達もいつまで睨みあってんのさっ! ああ、もう! れいちゃん知らないからっ。帰っちゃうからねっ」
「あ。逃げた……。僕もお先に失礼するよ」
「ボクはこれから仕事だから、先に行くよ、カミュ」
「大体、キャラが被っているのだ! 高位の存在で威圧的、髪の色……貴様、どれか捨てろ」
「ふざけるな。お前こそ何か変えろ。大体、俺は貴族だが貴様は所詮、猿山の大将だろ」
「俺を愚弄する気か、貴様」
「ふんっ。愚弄にも値せん」
「そういえば貴様、甘いものが好物らしいな。いつか身を滅ぼすぞ」
「貴様こそ、アルコールが好物らしいではないか。この世から姿を消すのは時間の問題だな」
「「大体貴様は――」」
「……馬鹿っぽいじゃなくてホントのバカだよね。お互いのこと何気に詳しいしさ。さてと、帰ろ」
(知らぬ間に誰もいないだと!?)
(俺を置いていくとは全くなっておらん奴等だな)
(…………)
(…………)
(……何だ、ついてくるな)
(誰が貴様なんぞについていくか。風間、貴様がついて来ているのであろう)
(歩き始めたのは俺が先だ)
(いや、俺だ)
(何だと?)
(何だ?)
あとがき⇒
.