その他の物語

□似た者同士
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「……何だ貴様は」

「お前こそ何者だ」

「ちょっとちょっと、ミューちゃんもちーちゃんも睨み合ってないで仲良くいこーよ! ねぇ? オッキー?」

「…………何、それ僕のこと?」

「あったり前じゃない! もちろんきみのことだよぉ☆」

「……斬っちゃうよ?」

「コワッ! オッキー、発言が怖いよぉ……。あぁ! ごめんなさいっ! 刀抜かないで!」

「その辺にしておきなよ、バカに構ってると馬鹿だと思われるよ?」

「アイアーイ! それは少しひどいんじゃないのっ!?」

「大体、レイジも構う相手ちゃんと見てから構いなよ。どう考えても手出したら怪我する相手でしょ」

「だって! 声が一緒なんだよ!? ぼくも一番組組長沖田総司! とか言いたいっ」

「一緒にされたくないんだけど?」

「ぼくなら言い間違いしないよっ!? 自分の名前は間違えないさっ」

「……僕の黒歴史蒸し返すなんて、よっぽど切られたいの?」

「うわぁ!? ごめんなさいっ」

「そんなことより、お前は誰なのだ」

「ふんっ。貴様から名乗れ」

「ああ。もう、喧嘩しないのっ。ミューちゃん、こっちの目の紅い人が、風間千景。ちーちゃん、こっちの目の青い人がカミュ。わかった? 二人とも」

「かみゅとか言ったか、貴様」

「だったら何だ風間」

「ふん。俺は西の鬼を束ねる高貴な存在だ。敬うがいい」

「ふんっ。俺が敬うのは女王陛下のみ。それに俺は伯爵という地位がある。貴様なぞ敬うに値しない」

「何だと?」

「何だ?」

「もう、二人とも! 威圧的すぎるよっ」

「なーんか、威圧的だし、馬鹿っぽいし……キャラ被ってない?」

「確かに被ってるかもね。髪の色も似たようなものだし……それに――」

「「単純だし」ね」

「ちょ、ちょっと二人とも、言いすぎだよっ。ミューちゃん達もいつまで睨みあってんのさっ! ああ、もう! れいちゃん知らないからっ。帰っちゃうからねっ」

「あ。逃げた……。僕もお先に失礼するよ」

「ボクはこれから仕事だから、先に行くよ、カミュ」

「大体、キャラが被っているのだ! 高位の存在で威圧的、髪の色……貴様、どれか捨てろ」

「ふざけるな。お前こそ何か変えろ。大体、俺は貴族だが貴様は所詮、猿山の大将だろ」

「俺を愚弄する気か、貴様」

「ふんっ。愚弄にも値せん」

「そういえば貴様、甘いものが好物らしいな。いつか身を滅ぼすぞ」

「貴様こそ、アルコールが好物らしいではないか。この世から姿を消すのは時間の問題だな」

「「大体貴様は――」」

「……馬鹿っぽいじゃなくてホントのバカだよね。お互いのこと何気に詳しいしさ。さてと、帰ろ」









(知らぬ間に誰もいないだと!?)
(俺を置いていくとは全くなっておらん奴等だな)
(…………)
(…………)
(……何だ、ついてくるな)
(誰が貴様なんぞについていくか。風間、貴様がついて来ているのであろう)
(歩き始めたのは俺が先だ)
(いや、俺だ)
(何だと?)
(何だ?)









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