光の奏でる旋律
□00 プロローグ
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「聞いてるのか?萩野」
「はい。聞いてます」
「なら、どうだ?
犯人に心当たりは?」
えー、萩野レイです。
現在、職員室に連行され、尋問中…
なぜか知らないけど(いや知らないことはないけど)、最近校内で起こった器物破損事件の犯人にされようとしています…
生指の戸沢は言葉にこそ出していないけど、目がお前がやったんだろう?と脅しています。
(先生、コワイよ)
「すいません…全くわかりません。
そもそもその日の放課後はわたし、委員会の仕事してました」
「……委員会中にも何かみたーとか、つい蹴ってしまったーとか、なんでもいいんだ。先生に言ってみなさい」
「だから、知らないって言ってるじゃないですか」
「本当に何も知らないのか?」
あ゛ぁー!!もうウゼーんだよっ!!
違うっていったら違うのに!
長髪ルークみたいになっちゃったよ!?
俺は悪くぬぇー!!
「そうか。まぁ、また詳しいことは後で聞こう。
それより、今日は?どうしてあんな所にいたんだ?」
やっと本題かよ……てか、わたしはホントに何にもしてないのになぁー
「ちょっと頭が痛くて朝起きれなかったんですよ」
「また夜遅くまで遊んでいたのか?」
またってなんだ、またって!!
「夜遊びなんてしたことないんですけど…」
「嘘を言うんじゃない。この間、お前が夜遅くに出歩いていたという話を聞いたぞ」
「………人違いですよ」
またしばらく不毛なやり取りをして、2校時終了の鐘がなるころにやっと戸沢から解放された。
1校時だけでなく、2校時までのがしてしまったのは痛かったが、仕方ないとも思う。
過去にやらかした人間はそう簡単に信用されない、というだけのことだ。
レイは教室のドアを開けた。
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