闇茜の天使
□U 哀れな双子
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ニナ「(ってことで、状況整理をしましょー)」
ラス「(どういう成り行きだ)」
フレンが帰った後、両親と遊び遊ばれ一向に終わりそうもなかったので、ラスと寝たふりをしながら通信会議を開きます。うん、要はまとめね、まとめ。
ニナ「(成り行きも何も、現状とかお互いのことがわかってないとこれからいろいろと不便でしょうが。細かい詮索はいいから、まずは前世を明かそう。ってことで、チャット形式で進めたいと思いまーす!
じゃあ、私から)」
ラス「(勝手にしろ……)」
ニナ「(えっと、私は異世界から転生してきました、ニナです。前世では普通の女子高生で、死因は雨で視界不良な日に交通事故にあったことです。以後、よろしくお願いします!)」
ラス「(異世界から、だと!?)」
ニナ「(うん。原因とか理由とかはパスね。はい、次ラス)」
ラス「(……俺の前世は始祖の隷長だ。死因は不明。以上)」
ニナ「(始祖の隷長かぁ……いいなぁ)」
ラス「(知っているのか?)」
ニナ「(まあね。私の世界にはいなかったんだけど、一方的に知ってるよ)」
ラス「(どういう意味だ?)」
ニナ「(それは内緒。でも始祖の隷長ってことは、聖核ががどこかに残ってるってことだよね?)」
ラス「(破壊されていなければな)」
ニナ「(どこで死んだとか何をしてた時に死んだとか、覚えてないの?)」
ラス「(死ぬ直前のことはまったく覚えていない)」
ニナ「(ふーん……。じゃあ次の質問。どんな姿でしたか?)」
ラス「(そうだな……翼の生えた獅子といったところか)」
ニナ「(グリフィン?スフィンクス?)」
ラス「(鷲面でも人面でもない)」
ニナ「(じゃあ知らないわ。はい次。都合良く始祖の隷長の能力とかは残ってないんですか?エアルの還元とかさ)」
ラス「(残ってるぞ)」
ニナ「(残ってるんだ……)」
ラス「(詳しく試してみなければ何とも言えないが、聖核はなくても記憶がある。エアル還元の方法は頭ではわかっている)」
ニナ「(ラスができるなら私にもできるよね。双子なんだし)」
ラス「(無理だろ)」
ニナ「(そうかなぁ?)」
ラス「(まだ俺ができるとも限らない。とにかく、試そうにもこの身体じゃあな)」
ニナ「(確かに)」
ラス「(質問はこれで終わりか?)」
ニナ「(ううん。もう一つだけ質問)」
ラス「(なんだ?もう寝たいんだが)」
ニナ「(発言が赤ちゃん)」
ラス「(うるせぇ)」
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