光の奏でる旋律
□01 入団
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ローレライ教団総本山ダアト。
衛星ルナも夜空に高く上った深夜。
燃えるような鮮やかな赤い髪をもつ少年が一人、礼拝堂に佇んでいた。
広い礼拝堂には彼の他誰もいない。
赤い髪の少年、アッシュは本来こんなところに来るはずではなかった。
ただ、引き寄せられるようにして歩いた結果、ここにたどり着いたのだった。
「チッ……」
我に返った彼は踵を返し、教団内に自室として割り当てられた部屋に帰ろうと
帰ろうと…した。
が、出来なかった。
突如として、上から何か落ちてきたのだ。
それは見事にアッシュの真上に落下し、呻き声をあげた。
いきなりのことに、彼も反応できず、床に倒れ込むが、すぐに体勢を立て直しソレを確認する。
「ひ、ひと…?」
見たことない変わった服を来た人物だった。
「おい!大丈夫か?」
落ちてきた人物の肩を掴み、軽く揺さぶってみるが、それがいけなかった。
「おい!しっかりしy「イヤぁあーーー!!」ゴフゥっ!?」
目が虚ろだった例の人物の瞳が急に見開かれ、綺麗な拳がアッシュの鳩尾に入った。
そのまま、殴った人物は気を失い、倒れてしまうが、アッシュはそれを助け起こすこともできない。
悲鳴を聞き付けた神託の盾兵が駆けつけてくるまで、アッシュは立つことさえできず、痛みに堪えていた。
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