光の奏でる旋律
□02 初稽古と...
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翌日の朝――
コンコンッ
「おはようございますレイさん、マルセルです。ヴァン謡将もいらっしゃいます。起きてますか?」
「ふぇ?あーマルセルぅ?うん、ほきてふよー」
「入りますねー」
ドアを開けて部屋に一歩踏みいると、寝起きでまだ目が覚醒しきってないレイがベッドに座っていた。
「あ゛ー?ヴァンもいるのー?」
「そうだ。レイ、今日から訓練だからな、これに着替えr…〔バンッ〕……(泣)」
「あははぁー当たった当たったぁー」
「Σレイさん!?」
「ヴァンーあっちいけぇー」
「!!?(泣)」
何が起きたかというと、ヴァンの顔を見たレイが持っていたマクラをヴァン目掛けて投げつけたのだ。
その結果、レイの投げたスピードがあまりにも速く、避けれなかったヴァンの顔面にクリーンヒット!
さらに、驚くマルセルを尻目に、レイがヴァンに「あっちいけぇー」という、最後の一撃を喰らわせたのである。
「レイさん!しっかり起きてください!」
ショックで消し炭になっているヴァンを放っておいて(何気ヒドイ)、マルセルがレイに近づく。
まだ寝ぼけ眼のレイの肩に触り、揺すり起こそうとした時、レイが急に覚醒した。
そしてそのまま、触れる直前だったマルセルの手から逃れようと飛び退いた。
「レイさん?」
「あ…ご、ごめん、マルセル…
その、マルセルがどうって訳じゃなくて…」
「気にしてませんよ。誰にだって、トラウマはあるものです」
「いや…そういう訳じゃなくて
……………ヴァン、どしたの!?」
ヴァンはまだ消し炭のままだった。
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