光の奏でる旋律
□04 知る者
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「これがあの預言の?……そうは見えないけどなぁ」
眠りから覚めかけた耳に、少年の声が聞こえた。
アッシュじゃない。
無意識の内に、その思い付いた声の主の名を呟く。
「イ、オン…?」
「あ。やっと起きたの?遅いよ。君には聞きたいことが山ほどあるんだからさ」
ん?イオンってこんな荒い言葉使いだっけ?
「イオン…じゃない?」
「何言ってるの?僕は正真正銘の導師イオンだよ。ふざけたこと言わないでよね」
イオンじゃないのに導師イオン?
アレ?コレってもしかして、もしかしなくても…
リートは思い当たった人物にビックリして、思わず飛び起きた。
「導師イオン!?」
「急に大声出さないでくれるかな。気が散る」
「ご、ごめんなさい…」
どうやら導師イオン――イオンオリジナルは執務の最中だったようだ。
殺気の入り交じった導師スマイルで注意された。
てか、なんでわたし導師の私室なんて所にいるの!?
昨日はちゃんと部屋で寝たよ!?夢遊病なんて持ってませんよ!?
「アリエッタに連れてきてもらったんだよ。
アリエッタに君の話を聞いてからずっと話してみたいと思ってたのに、昨日も一昨日も部屋にいないし、ヴァンは連れてこないし。
仕方なく、今日は君が起きる前に、呼び出しただけ」
……今の読心術ですか?ちょっと怖いんですけど。
てか、誰の許可を得て人拐いなんてしてんのよ!?
「僕は読心術なんて趣味の悪いもの興味はないね。
それに、僕は教団の最高指導者だ。僕の許可さえあれば、何でもできるさ」
だから、心読むのヤメテ!!この職権乱用者が!!
レプリカイオンとは大違いだ!
「……あのねぇ。読心術なんて一人で騒いでるけど、全部声に出てるよ?頭大丈夫?」
え゛…マジで…?
「マジ。
それより、今面白いこと言ったよねぇ、レプリカがどうとかって。
じっくり、話を聞かせてもらおうか」
……やらかしました☆
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