光の奏でる旋律
□07 レプリカ救出劇 〜上〜
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「紅茶一杯いただきまーす」
「…君、これが何杯目かわかってる?」
「えーっと…5杯目、かな?」
「7杯目だよ!ちょっと飲みすぎじゃない?」
「だってイオンの紅茶、美味しいんだもん。ねぇ、アリエッタ?」
「はい!イオン様の紅茶、とてもおいしい、です!」
現在、イオン様の私室にお呼ばれして、午後のティータイム中…
次々と紅茶をおかわりしていくリートに少し苛立ち気味のイオンだが、2人に誉められ、満更でもない様子。
例の譜術暴走事件や疑似超振動事件の日からしばらく経ち、リートも前のように暴走はしなくなった。むしろコツをつかんで、すぐに上級譜術も打てるようになったのだ。
さらに年末も越え、既にND2015へ突入していた。
ND2015と言えば、いろんなことがある年だ。
イオンレプリカ誕生にイオンオリジナルの死。ケセドニア北部の戦いもこの年だった気がする。
忙しくなりそうだなぁ〜、と他人事のように思いながら、紅茶を啜る。
イオンとアリエッタも同じように、カップを傾けた。
可愛いなぁ…なんて思ってる私は、きっと間違ってないはずだ。
「あのね、イオン様」
「なんですか?アリエッタ」
カップを置き、アリエッタがイオンに話しかける。どことなく照れているようだ。
「アリエッタね…ずっと、ずっとイオン様のお側にいたい、です」
イオンは突然のことにかなり驚いているようだったが、照れるアリエッタに微笑んだ。
と思ったら、一瞬だけリートに視線を向けた。はいはい、わかりました。お邪魔ですね。
「そーいえば、これからお勉強しなくちゃいけないんだったーうわーまずいー時間がー。イオン様、私はこの辺でー(棒読み)」
「おや…もう行ってしまうのですか?それは残念です」
殺気で追い出してるのはソッチだろ!と言いそうになったが、言葉を飲み込む。
相手はあの腹黒で導師様な職権乱用者だ。後が怖い。
アリエッタにまたねー、と手を降ってから、さっさと部屋を出た。
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