光の奏でる旋律

□08 レプリカ救出劇 〜下〜
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シンクを助けだした次の日の夜、リートはまたザレッホ火山に続く譜陣を踏んでいた。
目的は勿論、残されたイオンレプリカたちの救出だ。

昨日はヴァンやシンクもいたし、何よりシンクに手を捕まれた。


レプリカたちは火口に廃棄されてから、数日は生きていられたはずだ。
大丈夫だ、と頭ではわかっていたが、何か嫌な予感がして昨日と同じ火口に急いで行く。
背中で4人分の荷物が揺れた。





一際赤い光を放つ火口に辿りついて、リートは昨日と同じようにそこを覗き込んだ。

シンクがいた岩陰からさらに奥の方に緑が固まっているのが見える。大丈夫、ちゃんと4人いる。



「おーい!緑くんた…ち…」



目を疑った。

突然、一人の緑が淡い光を放ちながら、消えてしまったのだ。

残された緑は3人となり、呆然とそれを見ていた。



「緑くんたち!!」



一人がリートに気づいた。

驚いたように目を向け口を開きかけたが、それも途中で止まった。
どこか満足そうで安堵したような表情を浮かべながら、体が透けていき、遂には見えなくなった。

残された2人は互いに顔を見合わせ、手を握りあう。


ちょっと、シナリオより早くない?こんなはずじゃ……


また次のレプリカが消えてしまう前にリートは意を決して、火口の縁から飛び出した。




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