光の奏でる旋律
□18 敵
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こんにちは、予想外にも捕虜になってからいろいろあって解放されたリートです。
現在ルーク一行と行動中で、導師イオン護衛の任に就いています。
そして最前線で奮闘してます。
「雑魚がっ!翔破裂光閃!」
バンッ
最後の魔物が音素となって弾け飛び戦闘が終わった。
「ふぅ……終わった」
「お疲れさん!本当に強いんだな」
「この程度の魔物なら余裕だよ」
「みたいだな。俺たちの出る幕がちっともなかったぜ。なぁ、ルーク?」
「ま、俺は楽できていいけどな」
頭の後ろで腕を組んで余裕そうに言うルークに笑いながら剣を納める。
まだまだ雑魚ばかりとはいえ、この辺りになると魔物の数も増えてきてさっきから戦い通しだ。剣を振るのもいいんだけどなぁ…とガイに言ってみる。
「でもやっぱり疲れたな。後衛に下がってもいい?譜術使えるから援護はするよ」
「ああ、いいんじゃないか。前衛なら俺とルークで十分だし、少し休憩した方がいい」
「やった!ガイってばやっさしい〜!」
「女の子ばかりに戦わせる訳にもいかないしな」
ガイの爽やかスマイルで許可を貰った一方、ルークがリートの剣を見ながら意外にも尋ねた。
「なあ。お前の剣術、師匠と似てるような気がするんだけど……」
「これでも剣はヴァンに教えてもらったからね」
「ヴァン師匠に!?」
さすが髭大好きっ子。ヴァンに関することへの食いつきがすごい。
「だが、アルバート流にしては少し型が崩れてるみたいだな」
「改良も加えてるから我流に近いのかも」
「では、その譜眼も自分で?」
「うわっ!?ジェイド!?」
いきなり背後から声がして、少し素で驚いてしまった。ルークとガイの二人も目を丸くしてるし。
「旦那……急に後ろから話し掛けないでくれ……心臓が飛び出る」
「おっと、これは失礼しました。で、眼はどうやって?譜眼は現在禁術指定されているはずですが」
「さぁ?知らないうちにできるようになってたし。音素を使う時に勝手に発動するだけだから、気にしてなかったよ」
「……そういうことにしておきましょう」
「本当のことだからね」
まだ疑いを持っているだろうジェイドも、それを聞くとさっさと話を切り上げ、一行を促した。
「では進みましょう。こんなところで立ち話をしていても時間の無駄です」
「はーい」
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