大きな陽だまり
□第三話
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「あっちぃー……」
「……」
「アッシューお前暑くないのか?」
「……暑い」
「だよなー」
俺たちがこの世界にやってきてから3日がたった。
アッシュと2人であいつ―アキナの家で暮らしはじめて、同じく3日がたつ。
あれから、アキナともいろいろと話をして、この世界のことを学んだ。
知識は不思議と頭に入ったし、文字も難なく読めるようになった。アキナ曰く、ローレライとトリップの特典、というやつらしい。俺にはよくわかんねーけど。
今日も、俺とアッシュはアキナの宿題を手伝いながら(彼女曰く、学校に行くには他の生徒と同じくらいの学力をつけなきゃいけないんだって)扇風機の前で涼んでいる。この扇風機っていう機械も、音機関じゃないらしいけど、ガイが見たら喜びそうだよな。
数学の教科書とにらめっこしてると、突然アキナがリビングに駆け込んできた。
「ルーク!アッシュ!出掛けるよ!」
「出掛けるって…どこに?」
「買い物!いつまでもお父さんの服着てる訳にはいかないでしょ?日用品も含めていろいろ買いたいの」
だから行こ!とアキナが急かす。
隣のアッシュを見るとなぜか本を読んでいる。俺は宿題やってるのに、読書ってどういうことだ!?
「読書感想文ってやつを書くためだ。つべこべ言うんじゃねぇ」
「ね!アッシュも行こう!」
「今、いいところなんだが…」
……こっちに来てから、アッシュが少し元気がないように見えたのは気のせいだったようだ。十分楽しんでるじゃねぇか!
「いいから、行くぞーアッシュー」
熱心に読書しているアッシュを引き摺って、俺は買い物に出掛けた。
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