大きな陽だまり
□第四話
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夏休みも残り10日をきり、課題の山も赤毛2人のお蔭で大方片付いた。いやホント、赤毛さまさま。
後やるべきことといったら、亜陽州高校の理事長兼校長であり、私にとって父の姉の夫、つまり伯父にあたる人に挨拶をしに行くくらいだ。
「ってことで、今から行こ」
「アキナって意外と行動派だよな」
「思い立ったが吉日が座右の銘なんだ☆」
暇そうにテレビのチャンネルを回していたルークはさっと立ち上がり、「良いぜ」と返事をした。何か体を動かしたいのだが、外が炎天下のせいで用もなく外出はしたくなかったのだろう。外へ出ても、剣を振り回す訳にはいかないし、ショッピングという性格でもないし、部屋に引きこもりがちになってしまうのは、当然の結果といえばそうなのだが。
対するアッシュは、こっちの世界に来てから本というものに興味を持ち出した。オールドラントの方でもそれなりに勤勉だったのだろうが、暇な時はもっぱら剣の稽古ばかりしていたらしい。こうして暇ができると、彼はよく居間で本を読むようになった。最近ではファンタジックな小説から年表のような意味のわからないものまで、幅広く手をだしている。
そして、今もアッシュは父が書斎に残していった評論文を難しい顔をして読んでいる。
「アッシュも伯父さんに挨拶しに行こ」
「やだ」
「やだって、お前…ガキじゃねぇんだから、世話になる人のとこくらい、挨拶に行こうぜ?」
「……」
「アキナが待ってるぞ」
「……わかった」
いつの間にか、ルークがお父さんみたいになってきた。否、これはアッシュの年齢が下がったというのかな?やだって…ちょっとアッシュの口からは聞きたくなかったぞ私…
簡単な支度を済ませると、3人は炎天下に足を踏み入れた。
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