光の奏でる旋律
□00 プロローグ
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そんなこんなで悶々としながら、支度を済ませて、1階のリビングに降りる。
そこでは、母親が悠々と雑誌を広げくつろいでいる。
構わず玄関に向かおうとすると、声をかけられた。
「レイ、ご飯は?」
「いらない」
「そう。じゃあ、お昼も勝手に買ってね。お金は後で渡すから」
「うん」
靴を履き、学校に向かう。
普通なら“遅刻だぁーっ”とか言いながら、急がなければいけないのだが、急ぐ気にもなれず、ゆったりと道のりを歩く。
無関心な母親にはあまり怒りを感じない。
むしろ、これが当たり前だと感じるようになっていた。
無関心な母親に対し、こちらも母親に無関心なので、どっちもどっち、おあいこだと思う。
ただ母の方は、無関心なだけではなく、関わりたくないという理由も含まれる。
そのことにはもうどうとも思わなくなったレイ。
アビスの主題歌であるカルマを頭の中で奏でながら歩いていると、いつの間にか校門にまで来ていた。
さぁて…ここからどうするか…
バレないように教室に忍び込むか、職員室に行ってお説教をくらうか……
間違いないなく、前者だね☆
物陰に隠れながら生徒用玄関に向かう(←必要ない)
玄関までは誰にも見つからず、良かったのだが
下駄箱の向こうに見慣れてしまったハゲ頭……
「萩野……」
見つかった(泣)
(ヤバっ…☆)
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