記録図書

□第2Q
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今日の蟹座のラッキーアイテムは腕時計

練習をする時には邪魔だが
まぁ仕方がないのだよ


「ということを疑問に持ちました
 doなの?少年」

「・・・」


なんなのだよ
この銀髪のやつは


どんなことを疑問に持ったのか
何も言っていないのだよ

俺は
人の心を読む力など持ち合わせてはいないのだよ


「うん。分かるよ少年
 君、こういう意味の分からないテンションの人に
 話かけられたことないね」

「今日のラッキーアイテムなのだよ」


意味の分からないテンションの人など
黄瀬だけで十分なのだよ


それに早く練習に戻りたい
早くしてほしいのだよ


それに
主将と話していたということは
この意味の分からない人間は
二年ということか・・・?


「・・・邪魔じゃないの?」

「人事を尽くすためなので」


人事を尽くすため

大体の人間はこれを聞き去っていく


さぁ
俺に練習をさせてくれ


「おは朝占いの・・・蟹座のラッキーアイテム・・・」

「・・・!」


去っていかないだと!?

それに
何座かも当てて



何者なのだよ。この人間は・・・


「あの、名前は」

「ん?お?心を開いてくれたのかな少年」


変だ、と遠巻きにして笑うこともなく

高尾のように腹を抱えて思い切り笑うこともなく


ただ

ありのままの現状を受け付ける
この銀髪の男に興味を持った




「人吉氷之助ってんだ」

「緑間真太郎です」

「ん!よろしくな」



人吉氷之助という男は
気色の悪い笑顔を浮かべながら

俺に手を差し出した
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