SLAM DUNK

□第1ゲーム
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4月──

県立湘北高校─


1年7組

「よう、洋平どーだ花道の様子は!?」

大楠が教室の中に居る洋平に話し掛ける

彼らはクラスが別れたようだ

「まだ立ち直ってねーな。自分のカラにとじこもってるよ」

花道は自分の席に座り、どよーんと落ち込んでいる

「高校入ったら立ち直ると思ったんだけどな」
「どーも、あいつは性格が内向的なんだよな〜。あんな赤い髪してるクセによ」
「ま、今回は違うのもあるからな」


─バスケット部の小田君が好きなの

─バスケット馬鹿にすんなよ

花道の頭に木霊する二人の少女の声

「よーーー、花道元気出せや
バスケット部がなんでいバスケット部が!!」

と声を掛ける大楠

しかし…

ごつん

「ダメだよ大楠〜〜
バスケットは今禁句なの禁句」

花道は大楠に頭突きを喰らわせそそくさと席に戻っていった

「よー、いいのかよ
休み時間に"ビスケット"なんか食って」
「うるせーなあ」

「バスケット?」ぴくっ



「きのうビデオで"バクダッド"・カフェって映画みてさー」
「ふうん」

「バスケット・カフェ?」ぴくくっ


花道は"バスケット"に聞こえる単語を述べた奴らに問答無用に頭突きを喰らわす

「相当神経過敏になってるな…」
「うーむ」

洋平たちも顔を青くするだけだった


花道は1人廊下を歩いていた

「(ハァ…なにがバスケット部の小田クンでいバカヤロー
どーせつまんねー野郎にきまってるぜ…バスケット部なんて大きらいさ。世間は春だというのにオレの心は冬のままか…)」

軽く涙ぐみながら窓の外にある桜を見上げながらフッと笑った

「(…なぎさにも嫌われちまったしな…)」
それが一番堪えているらしい

そんな花道に

「あのう…スミマセン…」
と声が掛けられる

「バスケットはお好きですか…?」

聞こえてきた単語に花道はぴくっと反応した

「ふぬ…」
と声を掛けてきた人物に頭突きしようと振り返りハッとした

「バスケットは…お好きですか?」

話し掛けてきたのはなんとも可愛らしい女の子だった

花道に電撃が走る

「(モロ好みだ…!!!)」

洋平たちは黙って見つめる

「背が高いですね"流川"君とどっちが大きいかな…」

女の子は花道を見上げながらそう口にした

「ルカワ?」
「誰だ?」
「知らん」

と洋平たち

すると

「うわあ、スゴイ筋肉!!」
と女の子が花道の腕をにぎにぎと揉んできた

花道はその行為にどっきんと胸を高鳴らせた

「まあ脚も…!!スポーツマンなんですね!!」

「イ…イエべつに…」

と顔を真っ赤にする花道

それを見た洋平たちは

「……!!」
顔を見合わせていた

「やっぱりスポーツマンの男の人ってステキですよね
バスケットはお好きですか?」

「大好きです
スポーツマンですから」

花道は顔を赤らめながら言い放った

「おおーっ!!立ち直ったぞ!!」

洋平たちが駆け寄ってくる

「(春が来た!!このオレにもついに春が来たあーーーっ!!)」

と、嬉し涙を流す


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