SLAM DUNK
□第1ゲーム
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「(赤木晴子ちゃんか…なんてカワイイんだ…!!!ああ…!!)」
「(あの晴子ちゃんと一緒に登下校できたら!!うおおーっそしたら、もう死んでもいいぜ!!!)」
彼の夢は好きな娘と一緒に登下校することなのであった
「よかったな花道、高校生活に光が見えてきたな!」
洋平が声を掛ける
「へへ…よせやいてれるべ」
と照れる花道
「これが新たな大記録の第一歩だな!フラれ記録!」
と悪い顔
「へへ…よせやいてれるべ」
また照れる花道
「オレはスポーツマンになる!!」
「おお〜〜っノッてきてるな花道!!」
調子にノる花道を捲し立てる洋平たち
─同時刻
3年6組
『………』
「今日も可愛いなあ…」
「あ!今こっち見た!」
何やらコソコソと話をする男子
その目線の先には1人の女子生徒
その女子生徒──なぎさははぁ、ため息をついた
『(べつにうるさいから睨んだだけなのに…)』
そんな事を思いながら窓の外に目をやる
桜の花びらが舞う
『(キレイだなあ…)』
なんてことを思っていると
「なぎさ」
と声を掛けられた
声のした方を見ると、そこに居たのは
『どうしたんだい?タケ』
と頬杖を付いたまま応える
なぎさに話し掛けてきたのは、クラスメイトでありバスケット部のキャプテン─赤木剛憲
「ああ、今日のメニューについて話があるんだ」
と、なぎさの隣の席に腰をかける
『メニュー?べつにいつも通りで良いんじゃないのかい?』
「いやな、新入生も入ってきたわけだから今日辺りから見学に来る生徒も居るかもしれないだろ?」
『ああ、成る程ね。つまり─いつものあの死ぬほどキツい練習を見せたら新入部員が入らないかもしれないと、そう言いたいんだね?』
と、頬杖していないほうの手を人差し指を立てるなぎさ
「そう言うことだ…そこで─あの死ぬほどキツい練習メニューを考えたお前に、軽めのメニューを考えてほしいと言うことだ」
はぁ、とため息をつく赤木
『ん、りょーかいりょーかい。任せといて』
とウインクするなぎさ
「ほんと、軽めで良いからな」
『分かってるよ、もー、タケは心配性だなあ』
ケタケタ笑うなぎさ
そこに
「お兄ちゃん!」
と教室に入ってきた人物が居た
それは
「晴子。どうした?」
「もう!どうしたじゃないわよ!お兄ちゃんお弁当忘れてったのよ!」
はい!と言ってお弁当を突き付ける晴子
それを受け取る兄─赤木剛憲
そう、この二人
似ても似つかわしくない兄妹なのだ
ゴツい兄
可愛らしい妹
どこをどう見ても兄妹には見えない
「お、すまんな」
「今度からは気をつけてよね!」
するとこちらをチラッと見た晴子と目が合った
『(あ、やば)』
ふいっとそっぽを向いたが遅かった
「なぎささん!!!お久しぶりです!!!」
と飛び付いてきた晴子
うっ…と声を漏らしながらもしっかり受け止めるなぎさ
『久しぶりだね、晴子ちゃん』
「兄と同じクラスだったんですね!」
と嬉しそうにする晴子
晴子はなぎさのことを慕っているのだ
いつだったか
「お兄ちゃんがなぎささんと結婚してくれたら良いのにな」
と、真顔で言うもんだからなぎさも赤木もおったまげた
ちょうど飲み物を飲んでいたなぎさはブーッと吹き出してしまった
赤木も咳き込んでしまい晴子に大丈夫?と背を擦られていた
そのくらい晴子はなぎさのことが好きなのだ
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