SLAM DUNK

□第1ゲーム
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『晴子ちゃん、そろそろ戻らないとお昼休み終わってしまうよ』

と、苦笑いしながら言うと
バッと離れる晴子

「そうですね。名残惜しいですけどそろそろ戻りますね…」

とぼとぼと教室を出ていく晴子

「…毎度毎度すまんな、妹が」
『大丈夫。慣れたから』
ははっと笑い声を出す

しかし顔はまったく笑っていなかった

赤木はただ申し訳なさそうにするしかなかった




放課後──


なぎさは考えたメニュー片手に体育館に向かっていた

彼女はバスケット部のマネージャーなのだ

キュッキュッとバッシュの音が廊下に響く


ドターン

と体育館から音が聴こえた

『?誰か居るのか?』

少し小走りで向かう

そして体育館の前に着くと

「スゴイわ桜木君!!」
『晴子ちゃん?』

中なら人の声が聴こえてきた

「シュートははずれたけどスゴイジャンプ力だわ!!桜木君バスケット部に入るべきよ絶対!!!」

『桜木?花道?』

きゃーきゃーと晴子の声が聴こえる

『ま、入れば分かるか』

と、体育館の扉に手をかけ、開ける

ガラガラ

『ちーす』

「なぎささん!!!!!!!」

いきなり大声で呼ばれビクッと体を揺らす

『は、はいっ、何でしょう』
「スゴイんです!!」
と、晴子に詰め寄られる

何が何だか分からないなぎさは晴子の肩に手を置いて

『落ち着いて晴子ちゃん。何がどースゴイのか説明頼む』


「って、なぎささん!?」
「何でここに!!?」

『ん?おや、洋平たちも居たのか』

「え、お知り合いですか?」
『ん?あぁ、彼らはあたしの後輩たちだよ』

「じゃ、じゃあ!彼のことも」
と晴子が指指した先には

『……何やってんだい、花道』

「よ、よお…なぎさ」
『よおじゃないよ、まったく』

と、腕を組んで花道を見下ろす

「よ、呼び捨て…!」

『んぁ?ああ、晴子ちゃんには言ってなかったな。こいつとあたし、幼馴染み』

「え……?ええええええええええ!!!!」

晴子の叫び声が体育館の外にまで響いた





────
───
──



「す、すいません!取り乱してしまって」
『いや、問題ない…』

と、耳を押さえながら言う

『そう言えば、話が逸れてしまったね。で?こいつの何がスゴイって?』

「あ、はい!桜木君のジャンプ力です!」

『ジャンプ力?』

と首を傾げるなぎさ

ちなみに言うと、花道たちはもう帰っていた

「そうなんです!桜木君、ダンクシュートをしようと飛んだら、バックボードに頭をぶつけてしまったんです!」

『!!』

なぎさは軽く目を開く

『…ほぅ、あいつが…』


そう言うと、にやっと笑った

「それで私!桜木君をバスケット部に入れたいんです!」
『それはいい考えだと思うよ』
「!本当ですか!?」

『ああ、面白くなりそうだ』




『(あいつがバスケット…フフっ、これから楽しくなりそうだ)』

なぎさは楽しそうに笑った



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