◎デジモン長編◎
□T話
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「「うわああああ」」
「「きゃあああああ」」
DW(デジタルワールド)の南にある町。
『はじまりの街』
ここはほとんどのデジモンの原点。デジモンは一度死んだら次の世代へとデータを残し、新しい命として生まれてくる。
以前の記憶はあたりなかったりとそれぞれ。
ほとんどは前の記憶など覚えてはいない。
今この街には、生まれたての幼年期デジモンや、育て親の成長期デジモンが多く住む街としてある。
しかし、いつもは賑やかなこの街に今日はたくさんの悲鳴が響き渡っていた。
逃げ惑う小さなデジモン達の背後には牛のような角が生えた全身が茶色で左腕には"デモンアーム"という武器をつけた獣人型のデジモン――ミノタルモン――が町で暴れまわっていた。
ミノタルモンは左腕のデモンアームを大きく振り回し、建物を次々と壊していった。
「ハッハッハ〜、このミノタルモン様がこの街をきれいに破壊してやるぜ!!」
力のないデジモン達はただ逃げ、ミノタルモンが街を破壊するのを黙って見ているしかなかった。
「おいおい、歯ごたえのねえ奴ばかりだな。歯ごたえのある奴はいねえのか?」
左腕のデモンアームで横にあった建物に一撃を食らわした。
建物はガラガラと崩れ、足元に破片がバラバラに散らばり落ちた。
「誰か…助けて。」
?「街を破壊するのはお止めなさい!!」