御伽のサーカス

□プロローグ
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ある名も無き時代のとある期間だけ行われる、小さな小さなサーカスがあった。
そのサーカスは不思議な団員たちや、
不思議な出来事で成り立っているものだった。

団員は団長を含め、たったの7人だけ……。

しかもこのサーカスを見に来るお客は、全員子供。
大人は勿論のこと、8歳以上の子供はサーカスが行われているどころか、サーカスの存在すら知らなかった。

まだまだこのサーカスの、不思議な出来事は終わらない。

お客の子供は決まって、昼間か真夜中のどちらかに失踪するのだった。
誰一人、居なくなった子供の居場所を知る者はいない。
しかも最悪な事にサーカスに行った子供は誰一人として、家に帰ってこない。
嫌、みな行方不明のままか死体となって帰ってくるのだった。



子供たちが死亡してしまった原因は、今だ謎のまま…ーーー。



だがどの子供も苦痛な表情は浮かべておらず、とても安らかなものばかり。
真実を知るのは、サーカスの団員たちか、見に行っている子供たちなのか……。
はたまた、その両方なのか。
それとも……誰一人知る者はいないのだろうか?
また今日からサーカスの期間が始まる。


さて、
次は何人の子供が失踪し、何人の子供が死体と化してしまうのだろう?
大人たちは自分の子供が、失踪しないか恐れ始め、子供たちはそんな大人の心境など知らずどこか浮き足立つ。



『さぁ、寄っといで見ておいで!』




『前代未聞なサーカス、御伽のサーカスが始まるよ!!』




『寄っといで見ておいで!』
 

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