薄桜鬼

□覚悟
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「これじゃあ血が止まりません。……焼きますよ、いいですね」




皆は何も言わず頷いた。



『……』



そう言って山崎さんは真っ赤になってる鉄の棒を近藤さんの右肩に当てた。



「っかはっ!!くっ……!!」



近藤さんは苦痛の表情で必死にその痛みに耐えていた。



「局長!」

「近藤さん!」



激痛に耐える近藤さんの表情を見て、皆が皆近藤さんに声をかける。





やっぱり嫌な予感は的中してしまった。



あれから、近藤さんは出かけ二条城の軍備が終わった後、奉行所に戻る途中に

狙撃されたという。不幸中の幸いで落馬はしておらず、狙撃されたところも
命中はしていなかった。






「二条城で軍備が終わり、奉行所に戻る途中狙撃されました」

「近藤さんはそのまま馬で駆けてきたのか……」




近藤さんと共にしていた島田魁さんはその時の現状を土方さんに説明していた。



「はい……落馬すれば刺客の手に落ちていたかもしれません。
申し訳ありません!局長を守り切れずに…」

「いや…近藤さんが奉行所主要を手薄ににしてまで護衛は不要……と、説得できなかった…
俺の責任だ」




土方さんは目を閉じ、自分がとめられなかったのを後悔した。




「局長、今夜が峠です」



近藤さんの手術を終えた山崎さんが土方さんに報告して


皆は苦痛の表情で眠る近藤さんの姿に今は、黙って見守ることしか術は無かった。



でも、その様子を襖から見ていた総司の顔に不安と悔しさの二つが表れて
それに気付いた、私は胸を締め付けられる思いで後を追った。





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