マギ

□黒い魔法使い
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『(あそこが…煌帝国の城…)』




私は高い木の頂上で、煌帝国の城を眺めていた。


全く自分とは縁がない場所。
そこで暮らす人たちはどのように過ごしているのだろうか。


湧いてきてもしょうがない疑問だけが頭に残る。



私の名はエリシア。
いつか、森に捨てられていた少女である。

今はこの森にも随分と慣れ、不便に感じたことは何一つもない。


でも、私は他の人とどこか違う。

怒ったり、泣いたりすると必ず私の周りで不思議なことが起きる。


そんなことがあったから私は捨てられたんだけど……



『(気になったってしょうがない。あそこはお姫様や王子様。
身分の高い人がいる場所なんだから)』



私は眺めるのをやめて、いつもの指定位置で熟した果物を食べようと思い

木の枝を身軽なステップで次から次へ移動した。




『(よし…もう着く……ぞ?)』



茂みを抜けて、そこにある指定位置の枝にはもう先着名がいた。




私と同じ瞳の色をした少年。



「あ……?」

『っ!(やばい!ぶつかる!!)』




私の予想は的中し、互いのおでこをぶつけて下へ二人は落下した。










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