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□1.スキンシップじゃなくてセクハラです
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「あ、先生ホチキスの芯取って下さい。」

「はい、どうぞ。」

「…あの、」

「何か?」


ホチキスの芯を受け取る拍子にそのまま握られる手。
人よりも少し低い体温に包まれた自分の手に目線をやる。

私が言葉を言いかけると、満面の笑みで言葉を遮られた。



「なんでわざわざ握るんですかね。」

「失礼、おっと手がってやつですよ。ほら、稀に自分の手が反抗期なことってあるでしょう。」

「麻痺どころじゃないあたり、激しく病院へ行くことをおすすめします。」



私が手厳しくそう言うと不気味にフフフ…なんて笑ってる。何が面白いんだ。
いまいち意味がわからないので気にしないことにした。



やがて大量のプリントをまとめ終わった頃には空がすっかり暗くなりかけていた。


「ん〜、終わりましたね!…うわ、もう外暗くなってきてる!」

「遅くまで手伝わせてしまってすみません。ご家族も心配するでしょう?自宅まで送りますよ。」

「え、そんなわざわざ大丈夫ですよっ」

「未都に何かあってからでは遅いです。私の気が済まないので、送らせて下さい。」

「じゃあ、お願いします…」


明智先生の言葉には敵わず、こちらの必死な遠慮も意味を成さなかった。
そういえば、明智先生の車に乗るの初めてだ…
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