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□1.スキンシップじゃなくてセクハラです
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明智先生から目を離せずにいると、不意に手が離された直後に信号が変わって車が走り出した。

今の言葉は、なんだったんだろう…
そんなこと言われたら、勘違いしてしまいそうで。

あの瞬間から明智先生の方をまともに見れずにいると、あっという間に私の自宅の前に着いた。



「送ってくれてありがとうございます。じゃあ、また明日学校で。」

なんとか平然を装ってそう言い、助手席のドアに手を掛けると不意に反対の手を掴まれた。


「未都、これだけは勘違いしないで下さい。私がここまで優しくするのも、時々の悪戯も…未都にしかしたいと思えません。」


そう話す明智先生の瞳はどこか切なげに見えた。
その綺麗な顔立ちであんな表情をするから、つい見つめてしまう。



「…私以外に、しちゃダメですよ。」

「もう一度お願いします。」

「え?」

「先程のセリフ、もう一度言って下さい。」

「その手に持ってる携帯はなんですか、録音するつもりですか。」

「えぇ、いつでも聴き返したいので…」

「先生、また明日。」


やっぱりこの教師は変態だ。
さっきのトキメキを返せ…!

でも、なんだか憎めないんだ。
私の気持ちを揺さぶるのが、随分とお上手だから。







「フフ…つれないですねぇ。もっと私に夢中にさせたいものです…」


自分だけ夢中なままでは、
少々寂しいものがありますからね。




Thanks


2012/08/17

2014/03/16 加筆修正
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