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□2.盗撮が犯罪って知ってますか?
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「ここまでしても、わかって頂けませんか?」


ふと視線をこちらに向けた先生の目は、今までに見たことのないものだった。とても切なくて、けれど微かに笑みを浮かべているがどこか困ったような表情。
普段の妖しい先生、ふざける先生からは想像もつかないような瞳だった。

言葉が、出なかった。


「私は、未都とこうして居ることが幸せなのです。何度、時が止まってしまえば良いと思ったことか。」

「あの、せんせ、」

「癒してくださるのは、貴女以外の何者でもないのです。この気持ちに少しでも気付いていませんでしたか?」


私がやっと振り絞って出した声も遮られ、向かい合わせになった明智先生がずいずいとこちらに詰め寄って来る。
保健室のテーブルで作業してそのまま立ち上がっていただけだから、後退りが一歩も出来ないまま真後ろの椅子の背もたれに自分の背中がぶつかる。

距離を離すことが出来ず、どんどん近くなる明智先生との距離。
先生の僅かな息使い、香りまでも近くに感じてしまう。思わず見てられなくなって、目を逸らしてしまうと大きな手が私の左頬を包んだ。



「携帯の中にだけでも、意中の女性を閉じ込めておきたいと思った私を…未都は呆れてしまいますか?」


その手は私よりも低い体温ではあったけれど、その温かさに感じたことのない安堵感があった。それに、自分の心臓がうるさいくらいに聞こえる。これもきっと明智先生のせい。

ねぇ、あなたになら閉じ込められても良いかもしれない。

なんて、恥ずかしいから絶対に言わないけれど。


ゼロになった距離で見えた表情と、そっと私の唇に触れてきた先生の仕草が優しいから思わずそのまま背中に手を回していた。
あの優しくて柔らかい感触と、ぎゅっと掴んだ白衣の手触りは忘れられない。

明智先生の待ち受けが二人の写真になるのは、それから少し後のお話。












―――――


変態お題、久しぶりに更新できました!間が空いてしまい申し訳ないです。
完全おふざけから始まり最後は甘い締めくくりでした。

明智先生のグイグイとした押しに落ちてしまったヒロインちゃんでした!
そりゃああんな綺麗な先生に迫られたら落ちますよね。例え変態でも。

きっとこのカップルは晴れてお付き合いしても、明智先生の変態さに振り回されるヒロインちゃんがいるのでしょうw



2014/03/15
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