いくらでも嫉妬してあげますよ

[BSR 光秀/現代パロ]







「…何を読んでいるんですか?」

「少女漫画です。ちょっとマイブームになりつつあるんですよ〜。」


ある休日の昼間、ソファに寝転びながら昨日仕事帰りに買った漫画を読んでいたら上から光秀さんが覗いてきた。あの、その長い髪が被ってきてます…。


「光秀さん、くすぐったいです…髪。」

「あぁすみません。ではこちらにお邪魔させてください。」


私が了承する前に光秀さんは私の上半身を少し起こしてソファに腰掛け、私の頭を光秀さんの膝に乗せられた。お邪魔するってそういうことね。


「なんだかきゅんきゅんするんですよ、少女漫画って。」

「読んだことはありませんが、大体そのようなものだとは想像がつきますね。どんなストーリーですか?」

「売れないアイドルが総理大臣の息子(美形)に気に入られて何度も処女を奪われそうになる話です。」

「私の予想の斜め上を行っていますね…それはまた色々と激しそうです。」

「でも、チャラい男が一人の女の子に本気になって嫉妬とかしちゃうんですよ!あぁもう可愛い…」


実は昔読んだことがある漫画なんだけれど、大人になってから久しぶりに読むとときめきと同時に可愛く見えてくる。顔が緩みっぱなしの私を見下ろして光秀さんは、そういうものですか…とぽつりと溢した。


「嫉妬で、ときめくものなんですか。」

「そりゃあときめきますよ!どうして俺がこの女に…って悩んでいたりすると余計に可愛いです。」


光秀さんはどこか難しそうな顔。やはり男性にはよくわからないのか…光秀さんが理解してくれたら、それはそれで驚いてしまうと思うけど。

次のページを捲ろうとすると、さっと漫画が手元から消えた。「あ、」と呟いた時にはそれは気付けば光秀さんの手にあって。


「どうして貴女に嫉妬なんてしているのか…と、悩む必要は私にはありませんが。」

「光秀、さん?」

「いくらでも嫉妬してあげますよ。言われなくとも、ね。」


そう言いながら頬を指先で撫でてきた。そんな光秀さんの微笑を見て胸が高鳴って、目が離せなくて。
やめてくださいよ、不意打ちでときめかせないで。



Thanks

2014/06/02


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