HIT Thanks
□1000HITお礼小説
1ページ/6ページ
季節は秋、真撰組副長の土方の部屋の前には大きな紅葉の木があった。
「副長、例の件で報告が……ってアレ?」
仕事の事で彼の部屋を訪れたこの山崎退という男は、返ってこない返事に首をかしげた。
そっとふすまを開けてみると彼はいた。
しかしその光景は珍しく机に突っ伏して眠っている彼の姿だった。
季節は秋。
紅葉が赤くなる季節である。
「そうちゃーん。」
武州のとある道場、そこに彼女は来ていた。
「そうちゃーん?」
仕方なしに声のする方へ俺は足を向けた。
「よう。総悟なら寝てるぜ。」
「まぁ、そうなの?十四郎さん。」
「ああ、縁側で寝てるよ。迎えか?」
「ええ。困ったわこの後お買い物もあるのに…」
彼女の名はミツバという。ひそかに俺が想いを寄せている女でもある。
彼女は困ったように頬に手を当てた。
「……俺が総悟をおぶって送る。」
「え?そんな…いいです…十四郎さんに悪いでしょう?」
「別にいい。そこで待っていろ。」
驚くほど自然にでた言葉に自分でも内心驚いていた。
玄関にミツバを待たせ、俺は縁側にいる総悟を連れてくる。
案の定総悟は寝ていて、顔だけ見ればまるで天使のようだった。
「よっ…と」
総悟はまだほんのガキで、持ち上げるとものすごく軽い。普段は俺を蹴ったり殴ったりする為おんぶなんてする機会が無く、実際背負うのは初めてのことだった。