Crazy My Family!!
□2.お手並み拝見
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ジリリリリリリリ
大きな電話の音が事務所に響いた。指定席に座っていたオッサンはドンッと足でデスクを叩く。その拍子に受話器が舞い、彼の手に収まる。…器用だな…
「仕事だ。」
ガチャと受話器を置くとオッサンは嬉しそうに言った。
「少なくとも一週間以上じゃねぇの?」
俺が来たときからこの電話は鳴っていない。一体この男はどうやって生活しているのか不思議だ。
「ああ、一ヶ月ぶりだ。」
…本当にどうやって生活してんだだよ…
「何?仕事?」
今までソファーで寝っころがっていた若が体を起こし、バージルも読んでいた本から顔を上げた。
「デビルハンターの仕事か?」
「ああ、マジで助かったぜ。そろそろヤバかったんだ。お前らも来るだろ?というか来い。」
「命令形かよ。」
悪態をつきながらも内心俺は嬉しかった。そうだ。俺はこのためにここに来たんだ。ようやく仕事ができる。
「行く行く!ネロとオッサンの戦い方見てみたいし暴れたい!」
「貴様は常に暴れているだろう。」
「バージルも同じだろ。」
「フン」
どうやら二人も乗り気なようだ。初仕事はこの四人でか。悪くないな。
そんなことを思いながらレッドクイーンとブルーローズを持って準備をした。
「よし、じゃあ行くぞ!」
依頼の場所に着くとそこは確かに悪魔で溢れかえっていた。
「小さい魔界の門が開いたらしい。恐らく媒体は町の中央にある石碑だな。大した奴は出ないらしいが、早いとこ閉めちまった方がいいな。」
「にしても数が多いな…俺達だけで何とかなるのか?」
「お?坊やは自信が無いのか?」
オッサンの言葉に俺は火が付き、ニッと笑ってレッドクイーンを握った。
「冗談。」
「Fu〜やる気だな若いってのはいいね。だが俺は序盤は抜けさせてもらう。」
「何でだよ。」
「お前ら三人の力量を見るためだ。それに合わせて依頼に行かせる奴を決める。それに…俺が最初から俺が出ちまったら、お前ら楽しめないだろ?」
パチッとウインクしたオッサンに若とバージルにも火が付いたようだ。