Crazy My Family!!

□5.5 対日本対策会議
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「日本だ。」


2代目の口からその言葉が聞こえた翌日、我が事務所は今緊急会議を行っている。


「第1回対日本対策会議だ!」


高々に声を上げた髭に面々はおーっ!と腕を突き上げた。


「いいかお前ら!そんじょそこらの外国に行くと思うな!俺達が行くのは日本だ!心してかかれ!」

「「「「「おぉーっ!!」」」」」

「…何か皆テンション高くね…?」

「隊長!ネロ二等兵が乗り気でないようです!」


テンションMAXの若が俺を指差してオッサンへと言う。


「どうしたネロ二等兵。戦場に不安を感じているのか?大丈夫だ。初陣は皆そんなものだ。」

「もうどこからツッコめばいいのか分かんねぇーよ!!」

「ネロ…」


俺の肩に手を置いたのは2代目だった。
そうだ。この落ち着いているダンテなら、冷静でいてくれるかもしれない。


「日本に行ったら、『もうかりまっか?』と挨拶するんだぞ。」


ぐっと親指を立てて俺に純粋な瞳で語りかける2代目に、俺は何も言えなくなっていた。


「ストーップ!!」


俺は思わず耐えきれなくなって叫び声をあげる。すると全員がこちらを向いた。


「何でお前らそんなに浮かれてんだよ!俺達は遊びに行くんじゃねぇんだぞ!」


思いっきり叫ぶと、オッサンがふと優しく肩を叩いた。


「分かってるさ。坊やの言うとおりこれは遊びじゃない。しかし外国に行くというのはとても危険な行為なんだ。日本のような独自の文化を持つ国では特に何が起こるか分からない。それを今から会議するんだ。」

「オッサン……その手に持っている物は何だ?」

「ん?対日本対策用の最重要資料だ。」

「『日本観光ランキング』って思いっきり観光する気満々じゃねーかぁ!!」


とりあえずムカついたのでオッサンの顔を殴っておく。
しかし相手は半魔なだけあって3秒ほどするとすぐに復帰する。


「酷いじゃないか坊や。」

「当たり前だろ!仕事とか言っておいて一番旅行気分じゃねぇか!」

「そうだ髭。観光は後だ。」


そこでバージルが眉間に皺を寄せながら話に入ってきた。
そうだ。まだまともな奴はいた!


「そうだバージルの言うとおり…」

「先に侍に会いに行ってからだろう。その後に観光だ。」


まともじゃなかったーーーー!!

忘れていた…一番日本愛好家だったのはバージルだった…


「何バカな事言ってんだよバージル。侍は日本にはいないぜ。」


若が俺の肩を組みながら言う。
若…まさか…


「侍は日本にはもういない。まぁ忍者ならいるけどな。」


やっぱりな!!予想してたよ!!
もう何も言えず事の成り行きを見守っていた。
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