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□絶対に笑ってはいけない
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大晦日の夜、それはテレビを見ていた若の一言からそれは始まった。


「俺、コレやりたい!」

「は?」


若の見ていた番組は毎年大晦日にやる人気バラエティー番組だ。


「若、お前ケツひっぱたかれる趣味でもあんのか?」

「え…そうなの?」


初代の言葉に俺は思わず一歩引いてしまった。


「バッ…違げぇよ!!俺はただ、こういうのを皆でやったら面白いんじゃないかと思って…」

「こういうのって…笑ったらケツひっぱたかれるのがか?」

「そう。」

「…やっぱ若SMクラブとか行った方がいいんじゃないのか?俺らじゃ…ほら…な?」

「違げぇっつてんだろ!!…もういいよ…」


そう言うと若はプイとそっぽを向いてしまった。
あららちょっとからかいすぎたか。
その様子を見ていたオッサンが面白そうに話にはいってきた。


「まぁそう言ってやるなよ。俺は面白そうだと思うぞ?」

「悪かったよ。俺達もからかいすぎた。」

「う〜…」


若はまだからかわれた事に不機嫌になっていたが少しだけこちらを向いた。


「じゃあ一緒にやってくれんの?」

「ああ、何か面白そうだしな。旦那とバージルもやるだろ?」


話を振られた当人たちは片方はこの上ないほど嫌そうな顔をして、もう片方は楽しそうに笑っている。


「面白そうだな。俺は参加するぞ。」

「俺はやらん。」

「そう言うなって。せっかくの大晦日だぜ?皆で盛り上がろうぜ」

「貴様らだけでやっていろ。」

「じゃあこういうのはどうだ?このゲームで一番ケツをひっぱたかれた回数が少ない奴が明日一日王様になるってのは?」

「どういう事だ?」

「他の奴らが一日何でも言う事聞いてやるってことだよ。いたれり尽くせりだな。」

「それは貴様らが俺の命令を何でも聞くという事か。」

「ゲームで勝ったらだよ。それとも天下のバージル様はこんなゲーム如きに負けると思ってるのか?」


挑戦的に初代が笑うとバージルがニヤリと黒い笑みを浮かべた。


「そんなわけなかろう。貴様らの腐った性根を徹底的に叩き直してやる。」


後ろから湧き上がるドス黒いオーラに笑うバージルはやる気のようだ。……凄ぇ怖ぇ…


「よし、皆がやる気になったところでルールを決めるか。」

「仕掛けはどうするんだ?テレビじゃスタッフが用意するんだろ?」

「ふむ…それぞれが仕掛けを用意するってのはどうだ?始める前に30分位時間とって何か仕掛けを用意する。それを本番、自分の好きなタイミングでだして互いに笑わせあうってのは?」

「あ、それいいな。」

「じゃあ判定下す奴とひっぱたく奴は?」

「うーん…それはさすがになぁ…」

「俺がやろう。」


そう言って挙手をしたのは旦那こと2代目だった。
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