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□Let's Halloween!!
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10月31日。
今宵は一般的にハロウィンと呼ばれ、仮装だのなんだのして魔を払おうという、俺たちからしてみれば少し滑稽なイベントだ。当然、俺たちは関係ないと思っていた。
…今日、この日までは。
「あなたたちに仕事を持ってきてあげたわ。」
突然やってきたレディからまさかの依頼が来た。当然、その胡散臭さに皆は顔をしかめていたが依頼がここ最近なかたのも事実だ。それでその依頼を受けることになったのだ。
「で?依頼内容は?」
「これよ。」
そう言ってにっこりと笑い、レディが取り出したのはジャック・オー・ランタンの帽子だった。
「は?」
「さて、今夜は何の日でしょう。」
「…?ハロウィン…?」
「正解。というわけでアンタ達には仮装パーティーに出てもらうわ。」
「いやいやいや。意味分かんねぇから。」
「鈍いわね。だから、これが依頼内容よ。」
レディが言うにはここ最近人を食らう舞踏会が出てきているそうだ。ある日突然舞踏会の招待状が送られてきて、出席した者は皆帰ってこなかったそうだ。
「で、今夜はハロウィンだから特別パーティーってワケ。」
「で、俺達にそのパーティーへ行って来いと。」
「そうよ。残念ながら今夜は私も別の予約が入っていてね。残念だわ。」
さもワザとらしく肩を落とした彼女の顔は面白いものを見つけたかのように笑っていた。
「そういう事で衣装だけは用意しといてあげたから好きなの着てね。」
大きな荷物をオッサンの胸に押し付けるとレディは嵐のように去って行った。
「嵐のような女だな。」
「あ、Trick or Treatって言い忘れた。」
「えっそこなの?若。」
「いや、まぁとりあえず受けることには変わりないんだし、衣装だけでも見てみるだけ見てみるか。」