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□双子のはなし
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「おーいバージル!一緒に遊ぼーぜ!」


木の下で本を読んでいたバージルにダンテが一緒に遊ぼうと寄ってきた。


「俺は本を読みたいんだ。お前はアイツらと遊んでいればいいだろ。」


バージルが横目でダンテの後ろにいる子供を見やる。


「バージルもやろうぜ。鬼ごっこ。3人だとつまんないんだ。」

「嫌だ。」

「けっ、つまんねぇの。」


あくまで読書を貫く兄にダンテは諦めて友達の元へと戻っていった。


「いいのか?ダンテ。」

「いいんだよあんな奴。ほっといて3人で遊ぼうぜ。」


結局彼らはバージルを抜いて3人で遊ぶ事となった。
バージルとダンテはよく遊ぶ仲の良い双子なのだが、バージルはダンテとは違いどうも他の友達と遊ぶとなると不機嫌になる節がある。
それで今となってはダンテは他の友達と遊び、バージルはその近くで読書というパターンが定着しつつある。


「ジョン、何か面白いことないか?鬼ごっこばかりじゃつまんねぇよ。」

「かくれんぼでもするか?」

「昨日やったろ。ダンテは何がいい?」

「え?あ〜何でもいいぜ。楽しい事なら。」

「何だソレ。」


結局この日もバージルは遊びに参加せず、いつものように夕方になって友達が帰るとダンテと共に家へと帰った。


「明日は一緒に遊ぼうぜ。ジョンたちもいい奴なんだし。」

「明日も読みたい本がある。」

「はぁっ!?バージルってほんっといつも本ばっかだな。その内きのことか生えてくるぜ。」

「生えないよ。」


いつものように家に帰ると優しい母が迎えてくれた。


「おかえりなさい。ほら、手を洗ってらっしゃい。」
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