Crazy My Family!!

□2.お手並み拝見
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「上等。腰が痛いならオッサンは無理すんなよ。」


軽口を叩く若にオッサンはヒューと口笛を吹くだけだった。


「Let's Lock!」


若の叫びと共に俺達三人は悪魔へと走り出した。こうして誰かと共闘するのは何年ぶりだろう。フォルトナでは裏の仕事を任されていたから誰かと一緒に戦う喜びに興奮を覚えた。

まず目の前に塞がる悪魔の壁をレッドクイーンの一閃で吹き飛ばす。その中の一匹をスナッチで掴みバスターをくらわす。ブルーローズで牽制しつつ、一匹づつ確実に仕留めていく。
これが俺の戦闘スタイルだ。オッサンのように多彩なことはできないが、一発一発のパワーを生かして速く倒していく。

そういえば他の二人の戦闘スタイルはどうなんだろう。
戦闘に余裕ができたので他の二人を観察してみる事にした。

まずは若だ。若は同一人物なだけあってオッサンと同じような多彩な戦闘をしている。でも武器はオッサンの使っているものと違い、双剣にヌンチャク、あとあれは…ギター…か?ともかく暴れまくっている。
その動きは敵の攻撃をわざと紙一重で躱しているように見えて戦闘を心の底から楽しんでいるといったような感じだ。

それとバージルの方は…凄い。とてつもない速さで敵を倒していく。俺が使っている幻影剣のようなものを使っているがその数と速さは俺の比ではない。あっという間に敵を串刺しにしていく。若と違い武器は閻魔刀一本だけだが、その威力は幻影剣と合わせることによって最大限に発揮される。鋭く見えない斬撃が串刺しにした敵を襲っていく。俺とも若とも違いそこには無駄が無い。


そう分析していると俺の横にオッサンが飛び降りてきた。


「もう力量は見れたのかよ。」

「まぁな。それにそろそろ出ないと俺の出番が無くなっちまいそうなんでね。」


オッサンはそう言って愛剣のリべリオンを構えた。


「Hey Kid's! これがおれの戦い方だ!ちゃんと見とけよ!」


そう俺達に叫ぶとオッサンは足を踏み込み大きくジャンプし、悪魔の群れに飛び込んだ。オッサンの姿が見えなくなったと思ったら悪魔達が突然大きく吹き飛んだ。すかさず走り出すと速い斬撃でバサバサと斬っていきあっという間に砂に変えていく。
その光景に俺は呆気にとられて思わず魅入ってしまった。他の二人も同じようにオッサンを見ていた。
圧倒的パワー、スピード、魔力。オッサンとは前に二度ほど戦ったがこれ程のものだったとは…俺と戦ったときは手を抜いてたって訳か。そう思うと悔しい気持ちがこみ上げてきた。

他の悪魔もオッサンを危険と感じたのか一斉にオッサンへと斬りかかっていった。だがこれを華麗に回避し、後方へ宙返りしながら指をパチンと鳴らしガンスリンガーへとスタイルチェンジした。エボニー&アイボリーを取り出しマシンガンの如く弾丸の雨を降らし、地上へ着地するとどこからかルシフェルを取り出した。赤い剣で次々と悪魔を串刺しにしていくと、キンッと音を鳴らして最後に石碑のようなものに突き刺した。あれが魔界の門か。


「Finish.」


そう言ってくわえていた薔薇を悪魔の群れへと投げた。その瞬間ズドドドドドと音がしてまるで花火でも弾けるように爆発した。ゴゴゴゴゴと石碑が割れて崩れ去った時には全ての悪魔が消えていた。


「どうだ?俺の戦闘は。」


ニヤニヤと俺達三人を見やってオッサンが尋ねてきた。


「…凄ぇ…」


正直いって心から感服した。ここまで鮮やかな戦闘を俺は見たことがなかった。途中から動けなかった程だ。呆気にとられた若とバージルがハッと我に返った。
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