Crazy My Family!!
□3.5 save electricity
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「電気代?電気代が何とか出来たら大丈夫なのか?」
「無理だよ。一応節電してるけどエアコンは消せないだろ?だからあんまり効果は無いんだ。」
「いやでも自家発電出来たらそれは全部タダなんだろ?」
初代の言葉を聞いて今度は俺の方がキョトンとなった。
「そりゃそうだけど……どうするつもりなんだ?ソーラーパネルとか付けるつもりならそれこそ―」
「これさ。」
俺が言い終えるより先に初代が遮って何かを見せた。
それは初代愛用の剣、アラストルだった。
「?これでどうするんだ?」
「アラストルは電気の属性を持つ剣だ。」
「!」
成程。電気を纏って攻撃をするアラストルなら魔力で電気を作り出せる。事実上の自家発電ができるという訳だ。
だがそこでふとある考えが頭をよぎった。その電撃は普段は悪魔への攻撃に使われていて、その電圧は凄まじいはずだ。そんなものに家庭用の電化製品が耐えられるはずが無いのではないだろうか。
「あのさ初代…それ、電圧とか自在に操られたりするのか?」
「ん?うーん…やった事ねぇけど…多分出来るんじゃないか?」
危険だ。一秒でそう思った。
初代とは出会ってそんなに日がたってる訳じゃないけど、オッサンや若を見てて感じられる、何というか『ダンテ』としての共通の嫌な予感のようなものを感じる。
「や…初代、気持ちはありがたいんだけどさ、やっぱりいいよ。」
「遠慮すんなよ。こっちも世話になってるみだからな。何か役に立ちたいんだよ。」
ああ、初代は何ていい奴なんだ。オッサンや若に聞かせてやりたい。そのニコニコと笑う顔には含みなど見受けられなくて、本心でそう言ってるのだと分かる。
が…!ここはハッキリ言っとかないと!
「えっとさ初代…あんま電圧のコントロールとかやった事無いんだろ?多分そのままの出力じゃ強すぎて電化製品とか壊れちまうと思うんだ。」
「何だ?信用してないのか?」
「いや…そういう訳じゃないけど…」
「なら任せろ。」
そう言うと初代はおもむろにアラストルを持って洗面所へと向かった。
「ちょ…初代!どこ行くんだよ!」
「ブレーカーの所だよ。あ、一度全部電気落とすけどいいよな?」
「おい待てって!」
「どうかしたか?」
初代とは違う方向から別の声が掛けられ、振り向いたところにバージルと若がいた。
「バージル!初代を止めてくれよ!自家発電するって言ってるんだ!」
「それは…良いことなんじゃないか?」
「そっ…そうだけど…違うんだ!良いことなんだけど違うんだ!」
目を丸くして不思議そうに聞き返すバージルに説明していたその時であった。突然家の中の電気が消えた。
「!何だ!?」
「しまった!初代が!」
「初代?初代が何かしたのか?」
「オイ坊や。これじゃ雑誌が読めないぞ。」
「ネロ、どうなってんだよ。説明しろよ。」
「あぁー!もう皆来い!初代を止めに行くぞ!」