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□Baby panic!
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「ひげいや〜!おっしゃんきらい〜」

「きっ嫌い!?」

「きらい〜」


今度は髭がズーンと落ち込み、2代目と並んで体育座りをしていた。


「年寄組はダメだな…オイ若、次はお前が抱いてみるか?」

「え”……いや遠慮しとく……」

「は?何でだよ。一番ノリノリでやりそうなのに。」

「そりゃアンタだろ。俺は無理だ。そんなちっちぇーの持ったら潰しちまいそうだもん。」

「力加減くらいできるだろ。ホラ。」

「いやいやいや!無理だって!マジでちょ!ホントやめろって!」

「ネロもお前んとこ行きたいって言ってるぞ。」

「わかー」


半ば無理やりネロを抱かせられ、若はびくびくとしていた。


「うーわかすきー」


小さな腕を首に回され、天使の笑顔でそう言われた若はカチーンと固まってしまった。


「若?」

「なぁバージル……ネロを俺に下さい。」

「何をアホな事を言っている。返せ。」

「嫌だ!もうネロは俺の家族だ!弟だ!」

「ふざけんな!ネロは俺の弟だ!」

「初代は関係ないだろ!」

「黙れ愚弟ども!ネロは俺の息子だ!」

「嫌だ誰にも渡したくないーっ!可愛すぎるコイツ!」

「俺だって離れたくない!」

「貴様ら離れろ!」


三人がネロを取り合っていると、突然ボンッと音がした。


「いっつ……あ?何だここ?ん?どうしたんだお前ら。」

「ネロが……」

「戻っちまった……」


呆然と見る三人に元の姿に戻ったネロは首をかしげるばかりだった。


「…時間が来たようだな。」

「そんな……ネロッ…!」

「オィィィネロォ!!元に戻れ!俺の天使を返せぇ!」

「は?何ワケ分かんねぇこと言ってんだよ。ついにおかしくなったか?」

「違う!ネロはそんな事言わねぇ!」

「俺ネロだけど。」

「ちっがーーーう!」


何故だか悔しがっている若達に何故か部屋の隅で並んで髭と2代目が体育座りをしているのか、記憶のないネロには訳が分からない事だった。
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