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□寒い日
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若が自分を指差すとその他のダンテも俺も俺もと互いに言い合う。


「旦那は年なんだろ。年取ると寒がりになるっていうし。」

「だったらオッサンも寒がりじゃないとおかしいだろ。」

「あのな……言っとくけど俺と旦那は結構年離れてんだぞ。」

「「え!?マジで!?」」

「何で坊やまでハモるんだよ……間違いねぇ。この間旦那から聞いたんだ。」

「え?2代目っていくつ?いくつなんだ?」

「初代までもか。お前ら、一つ年長者として教えてやる。好奇心旺盛なのは結構な事だが、欲しい情報はハンターらしく自分で掴むこったな。」


ニヤリと笑って俺達を見るオッサンは熟年のデビルハンターらしく、獲物を見るような目つきをしていた。
以前、2代目の謎を探ろうとしてエライ目に会ったのを覚えている。それだけに2代目の秘密を積極的に探ろうとするのは避けているのだ。

チラッと2代目を見やればあんだけ温かそうな毛にくるまれながらも寒そうに小刻みに揺れている。つかどっから持ってきたんだあの毛皮。


「…とりあえずもう2代目の事はいいんじゃないか?」


バージルがぼそっと言うと全員がバージルと2代目を見比べ、ふうっとため息を吐きそうだなといいつつ立ち上がっていく。


「んじゃ、俺ちょっとその辺いってくる。」


若はそう言っていつもの赤いコートではなく、赤いダウンジャケットを羽織って外へ出かけていく。万年裸コートの若といえどやはり寒かったのだろう。


「ネロ、後で雪合戦しようぜ。」

「子供かアンタは。」


呆れながらもフッと笑い、俺は紺色のダウンジャケットを手にした。


「元気だねぇ。若いのは。」

「ジジィくせぇなオッサン。」

「うっせぇ。ところで初代。こういう時、大人ならどうやって寒い冬を過ごす?」

「そりゃ…コレに決まってんだろ。」

「さすが。分かってんじゃねぇか。」


そう言って髭と初代はジン・トニックを片手にソファーへと座る。
ちなみにバージルはキッチンで皿洗いをしている。


「髭…俺にも飲ませろ。」

「何だ。旦那も飲みたかったのか。」

「やっぱ寒い時はアルコールで体温めんのが一番だよな。」


三つ分のグラスへと初代が並々と酒を流し込む。


「そんじゃ、このクソ寒い一日に乾杯。」

「「乾杯。」」


結局飲んでばかりじゃねーかと心の中で呟くとがちゃりとドアが開いた。


「何してんだよ。早く来い!すげぇ雪だぞ!」

「ああ。今行くよ。」



こうして寒い冬はまだまだ続くのであった。
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