Our HEART BEAT ☆

□7:あなたを見てると
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海「・・・大丈夫ですかね?」

福井「あ?あ〜なー。大丈夫じゃねーの?」

海「わ、なんか無責任〜」

福井「うっせ!・・・・てかよ」

海「はい?」

福井「お前どっか行きてーとこあっか?」

海「・・・・え?」

福井「いや、一応これ遊びで来てんだから
どっか行かなきゃつまんねーだろ!」


少しキレてるように見える口調だが、福井の頬は少し赤かった





だが、普通の女子なら喜ぶであろうその反応に
海の顔は曇っていった


そして頭の中にあの頃の記憶の一部が蘇る



”あ、おっそー!!待ちくたびれた!!!“

“うっせ!部活だったんだから仕方ねーだろ!”

”誘ってきたのそっちなんですけど“

“・・・ちっ!ったく可愛くねー女だなぁ”


うちらはいつもこんな言い合いをしてた

うざっ!とか思うけど気を使わなくていい感じが心地よくて
何気にこうゆう時間が好きだった


”で?“

“なに?”

”だからどっか行きてーとこあっかって聞いてんだよ!“


そう言うセリフを言うときのあいつは

見るといつも真っ赤だった


”一応これデートだろがっ!!どっか行かなきゃつまんねーだろ!“


その瞬間目の前にいる福井さんとあいつが重なり、

一歩後ずさってしまった


福井「あ?どうした??」


福井さんは心配して顔をのぞき込んでくる


海「え?・・・いや、もー福井さんが珍しく
優しいからフリーズしちゃいましたよ!」

福井「はぁ!?てめー失礼な奴だな!」

海「笑いはこらえたんですから感謝してほしいぐらいですね〜」

福井「なっ!・・・ったく。お前はほんと疲れる」

海「この程度で疲れるなんて軟弱ですよっ」

福井「ははっ!お前口だけは達者だな!!」




そういって福井さんはニカッと笑った




・・・あの頃のあいつと同じように



海「っ!」

福井「あ?次はなんだよ、」

海「っなんでもないですっ!」


そういってそっぽを向いてごまかす


福井「はっ」



福井さんは軽く笑って、片手をこちらに伸ばしてくる


その手はうちの頭に乗った


その瞬間“だめだ”と悟った




なのに、うちはその手をどけようとせず
ただ流れに身を任せる


頭の上の手はそのままうちの髪を乱暴に撫でる



“うわ!ぐちゃぐちゃになるじゃん!ばーか!!”

”元からだろ!気にすんな!”


そんな光景も蘇る


福井「ったく・・・」


だめだ、






福井「お前はほんと、」






なんで、こんなにも、






こんなにもあなたは












福井「”可愛くねー女だな!!“」
















あなたは、あいつと似ているのだろう・・・



思い出しすぎて涙がでそうになったときだ



(私以上に私のことを〜♪)



海「あ、詩華だ。」



この着信音は 詩華と莉歩と彩音からの着信のときに流れる


こっちの心境が悟られないように無理やりテンションを上げて出た



海「もっしー!詩華ちゃんどうかいたしましたかなっ!?w


今福井さんが”テンションきも“とつぶやいたがそれはスルーしよう


詩華『うっせーーよwてか今どこいるの!?』


海「今!?いまねー!『ボリューム下げようか』


いまねー、福井さんと一緒にいる!」

詩華『どこに?』

海「えーゆうのー?」

詩華『4人で遊ぶんでしょー?』


二人でうだうだと言い合っていると

福井さんが急に“かせ!”と強引に携帯を奪った


すると、チャンス作ってやったとか押してこい!とか
いろいろ上から言っていたので相手は劉さんぽかった

そして満足したのかそのまま携帯を返された


海「あ、もしもし劉さん!?そうゆうことなんで

頑張って下さいね!!じゃー!!(ピッ)」


福井「・・・ぷっ!お前切り方強引すぎんだろ(笑)」

海「いいんですよ!こんぐらい強引じゃないと
またうだうだ言い出しそうじゃないですか!」

福井「まっ、確かにな!」

海「・・・んじゃ、その辺ぶらつきましょっかぁ〜♪」

福井「お?だな!」


うちらはとくに向かう先は決めずただぶらぶらすることにして

また雑談をしながら歩き始めた





そしてその日はもうあいつから
メールがきたりすることはなかった

















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