とある時空の重力支配
□闇夜の散歩
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魔術師、ステイル=マグヌスとの闘いを終え、上条の部屋の消化活動を済ませた三人は裏路地にいた
上条が血まみれのインデックスを抱えて、これからどうするかを三人で考えていた
昴「どうするんだ当麻。ここままじゃインデックスが…」
当麻「わかってる!! だけど、どうやらこいつは無断でこの学園都市に来たらしい。だから病院に連れていくわけにはいかねーんだ…」
この学園都市に入るには専用のIDが必要不可欠である
だがインデックスはそれを持っていない
そんなインデックスが病院に入院したとなれば、情報が漏れて、魔術師が襲ってくる危険性があるのだ
宇宙「…あまり事情は呑み込めないけど、とにかく今はこの子を助けよう」
ああ、と上条と昴は頷く
すると上条がインデックスに問う
当麻「おい、お前の頭の中の10万3000冊の魔道書の中に、傷を治す魔術は無いのか?」
昴は今の上条の言葉に疑問を抱き、その事について聞いてみた
昴「おい当麻、『頭の中の』ってどういう事だ?」
当麻「…悪い、あとでちゃんと説明するから」
そう言って、インデックスにもう一度さっきと同じ問いをする
すると
イン「…あ、る…けど」
インデックスが細く小さな声で言う
危険な状態なのは明らかであった
当麻「けど、何だよ?」
インデックスの紫色になっている口が、小さく震えながら言葉を発する
イン「君たちには…無理…。ううん、君たちだけじゃない。この学園都市に…いる人たちには魔術は…使えないの…。」
昴「…うそ…だろ」
だがインデックスは本当だよ、と小さく言い、話を続ける
イン「…能力…開発だっけ…? それを受けている人には魔術は使えない…。脳の回路が普通の人とは…違うから」
当麻「…そんなのって…。そんなのってあるかよ!!」
この学園都市の230万人の学生には魔術は使えない。それは絶対なのだ
すると
宇宙「なあ、能力開発を受けている『学生』には無理なんだろ? でも…」
当・昴「「…!!」」
宇宙が一筋の希望の光を生み出した
確かに、能力開発を受けている『学生』には魔術は使えない。
だが、能力を開発する側の『教師』はただの人間のはずだ
上条と昴と宇宙は一人の教師の顔を浮かべる
月詠小萌の顔を
上条たちは早速小萌の家へと向かおうとするが…
当麻「…そういえば先生ん家ってどこだ?」