とある時空の重力支配
□出会いは入学式の登校中
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あれから二日が経った
インデックスの体調はもうだいぶ良くなっている。とはいっても、まだ微熱の状態なので安静にしている
当麻「…不幸だ」
上条は一昨日、インデックスを泣かせた罰として夏休みの補習のプリントを大量に渡され、そのプリントを期限(今日)までに終わらせるようにと小萌に言われたので必死になって終わらせようとしているのであった
その小萌はというと、ただいま買い物中である
昴「まっ、頑張ってくれたまえ上条くん♪」
宇宙「俺たちはのんびりとくつろいでいますから♪」
当麻「うるせぇ! テメェらのせいじゃねーか!! 俺がインデックスを襲ったとかぬかすから!」
昴と宇宙に文句を垂れる上条
そんな上条に微熱のインデックスが尋ねる
イン「とうまとすばるとそらは仲が良いんだね。小さいときからの付き合いなの?」
当麻「いや。俺たちは高校に入ってから出会ったんだよ」
昴「正確には入学式の日の登校中だがな」
宇宙「あはは、あの時はスゲー楽しかったよ♪」
当・昴「「……………」」
その言葉を聞いて上条と昴は悪寒を感じた
そんなことを知らないインデックスは目をキラキラさせて「聞かせて聞かせて!」と言ってくる
そんなインデックスの様子を見ては話すしかないと昴は話を始める
昴「さっきも言ったとおり、あれは高校の入学式の日…」
春
桜の花びらが咲き誇り、暖かくて目覚めを妨げる季節
そして全ての学生の新しい学校生活が始まる季節でもある
そんな神聖な季節に小鳥遊昴は…
昴「寝坊しちまったあああああああああ!!」
全速力で走っていた
どうやらこの季節特有の『目覚めの妨げ』にあってしまったらしい。まさに春眠暁を覚えずである
昴「まさか目覚まし時計の電池切れだと!? ふざけんな!! なんだこの不幸な出来事は!! 何で俺はこんなに不幸なんだ!?」
はぁ、とため息をつきながら高校へと向かう昴
さすがに入学式に遅刻をする学生はおらず、走っているのは昴一人だけであった
昴(…はは、俺だけか。…高校生になって早々遅刻か…)
そんなことを考えていた昴の目の前に学生が現れた
ニヤニヤと不気味に笑ってくる三人の男たちが
男1「お前、レベル5の小鳥遊昴だな?」
昴「あん?」
男2「ちょっと俺たちと遊ぼうぜ」
声をかけてきたのは、身長が高く鼻や耳に銀のピアスをした男と、ピアスの男と同じくらいの身長でガリガリに痩せている男、それと丸々と太っている男である
そこで昴は気付いた
この三人はレベル5である自分を倒して、名声を欲するものたちだと言うことを
自分より高いレベルの奴を倒して名声を得たいと思う者などこの学園都市には珍しいことではない。というより、能力者なら一度は考えることだろう