とある時空の重力支配
□衝撃の事実
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ステ「…君達は、完全記憶能力を知っているかい?」
ステイルに聞かれ、昴はハッとする
あれからどれくらい時間が過ぎたのか、昴は覚えていない。ステイルの言った言葉の意味が分からず、それについてずっと考えていたからである
昴「あ…えっと、一度見たものや聞いたものを絶対に忘れない能力だよな?」
ステ「その通り」
ステイルは小さく頷きながら続ける
ステ「そしてその能力で、彼女は沢山の魔道書などを記憶している。これが彼女ーー禁書目録の正体さ」
昴「ああ、インデックスから聞いたよ。…それより」
昴はそんな事よりどうしても聞きたいことがあった
それを口にしようとした瞬間
宇宙「…なあ、そんな事よりお前とインデックスが同じ教会ーーしかも親友ってどういう事なんだよ?」
宇宙が先にステイルに問う。昴はじっとステイルの顔を見る。するとステイルは呆れた顔つきで
ステ「どういう事って…、そのままの意味さ。僕と彼女は一緒の教会、必要悪の教会に所属している。さらに親友の関係に「そうじゃなくて」……」
昴はステイルの話を遮り、最大の疑問をステイルに言う
昴「何で同じ必要悪の教会のお前達は、インデックスを追い回してんだよ。それにインデックスだってそうだ。同じ教会のーーましてや親友のお前から逃げてるんだよ?」
昴の問いを聞いたステイルは、苦しそうな顔をして告げる
ステ「…彼女は…何も覚えてないんだよ」
ステイルは続ける
ステ「僕達が同じ必要悪の教会の人間だという事も、自分が追われている本当の理由も。…そして何も覚えていないから、自分の中の知識から判断するしかなかった。…当然、彼女はこう思っただろうね」
ステイルは心底つまらなさそうに言った
ステ「禁書目録を追う魔術師は10万3000冊を狙う魔術結社の人間、とね」
昴・宇「「……………」」
二人は思い出す。インデックスが一年くらい前から記憶を失っていることを
宇宙「…なあ、アイツが記憶を失ったのは…お前達が原因なのか?」
ステ「…少し…違うかな」
昴「??? 少し、違うって…」
昴は頭に疑問符を浮かべる
もしかしたら、ステイルが原因ではないのかもしれない。そんな考えが昴の頭に浮かぶ
そしてステイルは口を開く
ステ「彼女は記憶を"失った"んじゃない。…僕達が彼女の記憶を"消した"んだよ」
ステイルの言葉を聞いた昴は、怒りの表情でステイルを睨み付ける。
そして、
昴「何でだ!! インデックスとテメェは仲間だったんだろ!? 親友だったんだろ!? だったらどうして!?」
昴は思いっきり叫ぶ。昴はどうして仲間の記憶を消すような事をしたのか、その理由がどうしても聞きたかった
ステイルは小さな声で
ステ「……、そうしなければならなかったんだ」
宇宙「…どういう事だ?」