とある時空の重力支配

□神裂火織との死闘
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当麻「……はぁ…はぁ…、ち、くしょう…ッ!」

神裂「…終わりです」

昴と宇宙と別れてから数十分
上条は神裂火織と名乗る魔術師と戦闘を繰り広げていた
が、力の差は歴然としていた。上条は腕や足などから血を流し、所々に擦り傷をしていた。対して神裂は傷一つついていなかった
どちらが強いかは一目瞭然である

神裂「その体で私に勝とうとするのは無理です。諦めて彼女を保護させてください…」

神裂は静かに言う

上条「…うる、せぇ…。諦めるわけ…ねーだろうがッ!!」

上条が神裂のもとへ走りだし右手で殴りかかる
しかし神裂は上条の右手が当たる直前に、呆れたといった顔つきで、腰に提げている長刀に触れ、

神裂「七閃」

刹那

上条の右手に七本の血の線が現れた

当麻「がッ…!! ぁぁぁあああああ!!!」

上条の悲鳴が人一人いないーー人払いのルーンで上条と神裂しかいない大通りに響く
七閃の正体。それは七本の鋼糸(ワイヤー)であった
そう、彼女は魔術を使っていない。つまり上条の右手ーー幻想殺しに触れても決して消えることは無い
上条がここまで劣勢なのもこれが原因である。神裂がステイルのように魔術を使ってくれば、上条にも勝機はある。右手に触れれば消せるのだから
だが、今の上条にその勝機は微塵もない

それでも

当麻「………ッ…!」

それでも上条は立ち上がる
ふらふらと、おぼつかない足に無理矢理力を入れ、歯を食いしばりながら

神裂「!! 何故…」

神裂は驚愕する
ここまで力の差が歴然としていて、右手も通用しないというのに立ち上がる上条を見て

当麻「…アイツ…インデックスは…、テメェらには…絶対渡さねぇ…ッ!!」

だが立ち上がったのも束の間。上条の体が、前方へと倒れていく

それを見た神裂はふぅ、と小さく息を吐く

神裂「…今度こそ、終わりです」

神裂が後ろに振り返り、この場から去ろうとする

当麻(ちく、しょう…! 体が…動かねぇ…。このまま…インデックスとの関係が…終わっちまうのか…ッ!)

上条がそんなことを考えた

その時

???「おいおい、まだ終わってねーぞ」

神裂「!?」

神裂は声のした方へ顔を向ける。上条も神裂と同様に声のした方を見る
そして声を発した人物は、上条が倒れている位置のすぐ傍にいた
銀髪に黒のバンダナで髪を逆立て、上条と同じ制服の下に青のTシャツを着ている上条の親友ーーー

ーーー小鳥遊昴が

当麻「…昴…!!」

上条は彼の顔を見て笑った。その笑みにはこのタイミングで来てくれた嬉しさと、昴ならどうにかしてくれるという希望が窺えた
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