バカとテストと召喚獣〜オレ達の下剋上奮闘記〜

□振り分け試験@
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朝。
オレは珍しく早く目が覚め、ベッドの中でケータイをつついていた。
今は三月、起きたくてもこの時期特有の睡魔がオレを襲ってくる。ふぁあ、眠いな…。
オレはケータイで今の時間を見る。まだまだ時間はあるな、もう一眠りすっか…。
と、思ったその時、階段を上ってくる足音が聞こえ、コンコンとドアをノックする音が響く。あん? 誰だ?

涼子「累! そろそろ学校に行く準備しなさい」

そう言ってドアを開ける女。コイツはオレの双子の姉の音無涼子だ。
オレはもう一度ケータイの画面の時間を見る。まだ七時にもなっていない。

累「おいおい姉貴。まだ学校に行くには早いだろ」

涼子「…アンタ、今日が何の日か覚えてないの?」

累「はぁ? 今日?」

はて、何の日だ? う〜ん…。
オレは考えに考える。今日…今日…、はっ!!
そしてある結論にたどり着く。なんだ、そういう事か!

累「今日はゲームの発売日だった! 授業が始まる前に買わねーと!!」

涼子「バカっ!! 今日は振り分け試験の日でしょ? だから早めに学校に行って、勉強の復習しなさいって事」

累「…あー。なんか鉄人が明日は振り分け試験だから遅れるなよって言ってたな」

オレは今更思い出す。まっ、そんな事より…

累「オレなら勉強の復習なんかしなくても大丈夫だって」

オレがそう言うと姉貴が疑いの目を向けてくる。くそッ! 全く信じてねぇ!
すると、

涼子「…本能寺の変で明智光秀に殺されたのは?」

累「坂本龍馬!」

涼子「……惑星の順番で、土星の次は?」

累「アンドロメダ星!!」

涼子「………夏目漱石の代表作は?」

累「走れエロス!!!」

オレが答えた瞬間、

涼子「このバカ累がぁぁぁぁああああ!!!」

累「ぐはッ!!」

答えた瞬間姉貴が鬼の形相でオレの顔面を殴ってきた。何だ!? 何でオレ殴られたんだ!? しかもスゲー痛いっ!!

涼子「アンタって本当にバカね!! よくそれで復習なんてしなくてもいいって言えるわね!!」

累「はぁ!? どこを間違えたって言うんだよ?」

涼子「全部に決まってるでしょ!!」

…マジで? オレ、スゲー自信あったのに…。
まさかの全問不正解だった事に驚愕するオレ。姉貴はそんなオレを見て深く溜め息つき、

涼子「まったくアンタは…。まぁいいわ。早く着替えて、朝ごはん食べて学校に行きましょ?」

そう言うと姉貴は階段を降りて行く。

       

涼子「う〜…。三月っていってもまだ肌寒いわね…」

累「そうか? オレは別に平気だけど?」

所変わって、文月学園ーーオレ達の通っている学校ーーへの通学路。
オレと姉貴はゆっくりと歩きながら学校へ向かう。このペースでもニ十分ぐらいで学校に着くので遅刻の心配はない。しかも今日は特別に早く登校しているため、遅刻する確率など皆無だ
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