short story

□月の夜に
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「うわっ・・・すげぇー・・・」

木吉が突然空を見上げ呟いた・・・

どうした?と同じように空を見上げると月が青く光って、独特なオーラを出していた。
そういえば、小金井が話してたな・・・
たしか・・・
今日は、月が一ヶ月に二回現れ・・・しかも、青く見える日らしい・・・

「3年に一度なんだよな・・・ロマンチックだな・・・」

あぁ・・・それも言ってたな・・・ロマンチックって・・・なんだよ・・・
ツッコミを入れようとすると・・・

「日向・・・」

んっ・・・?
不意に木吉に呼ばれ、木吉の方を見ると・・・

チュッ・・・

何か柔らかいものが唇に当たったと思うと・・・
どこからか・・・小さなリップ音がした・・・
突然のことで何が何だかわからなかったが・・・
二つの不思議な点が繋がってると理解する・・・

「木吉・・・おまっ!」

道端だぞ!と怒ろうとするが言葉と木吉を殴ろうとしていた手は、木吉によって塞がれた・・・
正確には、抵抗できないよう抱き締められた・・・
離せ!離せ!ともがくが・・・簡単に押さえつけられてしまう・・・

「大丈夫・・・夜だから・・・」

その言葉を聞き・・・抵抗をやめてしまう自分がいることに驚きを隠せないでいると・・・
また、
チュッ・・・とリップ音がなる・・・


その後も何度かキスを交わした・・・
そろそろやめろ・・・と胸板を叩くとやめてくれた木吉
ご褒美として軽く頬にキスをしてやる
その行為に驚きを隠せないでいる木吉をよそに
俺は、木吉の手を取り歩きだす。


俺らは、月の神秘的な光に照らされながら帰り道を一緒に帰った。





END.

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