BLEACHbox
□誕生日に欲しいもの
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「なァ、明日何の日やと思う?」
仕事中、いきなり振られた問題。
それに私は一度動きを止め、一瞬考える。
頭の中を探って情報を集めるが、思い出せない。何かあったっけ…?
しばらく考えていると、しびれをきらしたギンが私の両肩をガッシリ掴み、上下に振りはじめた。
「ボクの誕生日や! 忘れた訳あれへんよな! 美里ちゃん!! ボクら付き合うてもう一年経つで!」
一気に言ったギンは、興奮しながら肩を揺らすのをやめた。
「そ、そういえば……」
「やっぱり忘れてたんやねッ!?」
ひどいわァ……とか嘘泣きをしながら、死覇装の袖で目を拭うふり。
しかしさすがの私も焦る。
「な、何が欲しい? 何でもあげるから!! あ、でも高いのはちょっと無理だけど……」
後で付け足したら、ギンは明るく顔を上げて私の腕を引っ張ってきた。
「ほな、こっち来て」
「し、ごと…!」
「ええから。隊長命令」
「職権乱用!」
うるさいなァ…またぼやいて、私の腕を引いてどこかに向かいはじめた。