BLEACHbox

□命
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「…………変死?」


 藍染にガミガミ言われながらでも仕事を終わらせた俺が四番隊の前を通ると、卯ノ花隊長に引き止められた。

 その卯ノ花隊長の口から聞いた言葉に、俺は目を見開いた。



「変死です。最近……一月ほど、流魂街の人々が消える事件が多発しています」



「消える……。蒸発するとかそんなんやなくてですか?」



「ええ。服や草履を残したまま……消える″んです」



「変な話やなァ」



「ええ。もうすぐ、その事を調べに九番隊が調査に出てくれる様ですが……」




 卯ノ花隊長から変な話を聞かされた後、俺は仕事終わったし、美里のおる三番隊に行った。



「美里〜?」



 扉を容赦なく開けたら、三番隊の隊士が何人かおった。
 ……見渡しても、美里の姿はあれへん。


 ……おかしいなァ。
 帰る時はいつも一緒やのに……


 何や心配になってきた俺に、女隊士が一人、声をかけてきた。



「池田さんなら、少し前に帰りましたよ。何か……用事があるとかで」


「…………そか。お〜きに」


 ローズに挨拶もせぇへんで、踵を返して三番隊を後にした。

 とりあえず美里と同居しとる自分の家に帰る。



「(変死事件……藍染が動いたんやろか……)」


 歩きながら考える。藍染が仕組んだ事なら、美里をしばらく一人にすんのはしばらく危ないなァ。

 何があっても護らなあかん。
 …………絶対にや。




「あれ、平子!?」


「!」



 突如後ろからかけられた声に、俺はビックリして後ろを振り向いた。



「美里……どこおったんや。一人で先帰らんといてや」


「あ、ごめんね。ちょっと用事あって」


「ふぅ〜ん……」


 美里は疑われるのを嫌う。
 せやから、ホンマは男んトコ行ってたんとちゃうやろな……とか言いたいのを堪えて、口を結ぶ。



「男の人のトコじゃないよ」


「ホンマ……敵わんわ」



 自嘲気味に笑うたら、美里も笑う。




「じゃ、帰ろか」


「うん」



 俺が差し出した手を美里は握ると、仲良く並んで歩き出した。
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