祓魔師
□05
2ページ/3ページ
ア「学校、ですか」
昼15時に、僕の部屋にいきなり現れ、僕の為にメフィストが置いていったお菓子を無断で食べているアマイモン。ちなみにメフィストは手続きがあるとかで外出中だ
というかアマイモン、不法侵入だよ
『はい。だから学校が始まったらアマイモンと遊ぶ時間が減ります』
ア「え〜…」
『すみません。メフィストが決めたので……はい、お茶どうぞ』
部屋に備え付けられたキッチンで淹れたお茶をアマイモンの前にある机へと置く
この間の騒動で、どうやら僕はアマイモンに懐かれたらしい…いや、もしかしたら命を狙われているだけかもしれないけど……
ア「兄上が琴音を独り占めとか、狡いです」
『いや…学校だから独り占め、という訳では…』
ア「同じです。僕だって、もっと琴音と遊びたいのに」
う〜ん…アマイモンにしたら遊び=殺し合い、何だろうけど…彼の場合、無駄に純粋なので言われても悪い気はしない。不思議だ
ア「ん〜…そうだ」
『どうしました?』
ア「ちょっと待ってて下さい」
何か思い付いたのか、アマイモンはいきなり立ち上がると部屋から出て行ってしまった
待ってて。と言われたのだから、ここは大人しく待った方がいいだろう。
怒らせると厄介だし
『兄弟は似ますからね…』
――それから三十分後…
ア「ありました」
そう言いながら扉を開け、中に入り、僕の目の前に立つアマイモン
その手には一枚の紙切れが握られていた
『それは?』
ア「契約書です。兄上が昔使っていたのを思い出したので」
『へぇ…見てもいいですか?』
ア「どうぞ」
アマイモンから受け取った紙に目を通してみれば、簡単な契約書みたいで一番上にメインとなる人物が一箇所。少し間が空き、その下に三箇所、名前を書く欄があるだけだ
その上に何やら文章が書かれているが、残念ながら僕には読めない特殊な文字だった
『これは何と書いてあるんです?』
ア「……約束を守りましょう、です」
『子供か。で、これを何に使うんですか?』
ア「琴音が暇な時は僕と遊ぶという約束をしたいので。名前を書いて下さい」
『あ、なるほど』
まぁ、所詮は紙切れな訳だし
こういう小さな子供みたいな事で彼の気が済むなら書いてもいいだろう。それに極力、暇が出来たら修業と思って遊んであげればいいし
僕はそう決断し、机の上にある筆立てからボールペンを取り出し、一番上の欄に名前を書き込んだ
『これで良いですか?』
ア「はい。あ、あと名前の横に血判を」
『血判…随分と本格的にやるんですね』
仕方ない、と僕は左手の親指を軽く噛む
そして流れ出る血を垂らさないように紙へと押し付けた
『出来ましたよ』
ア「わーい」
『ほら、アマイモンも名前書かないと』
ア「あ、そうでした」
そしてアマイモンがボールペンを握った時…
メ「琴音!私の部屋にあった契約書 知りまs……!?」
『え…?』
物凄い勢いで扉が開き、メフィストが飛び込んできた
そしてアマイモンの手元にある契約書を見て、メフィストの顔から血の気が一気に引いたのが見えた
……あれ?
これまさか……
ヤバいパターン、か?
→