君
□君の居場所-01-
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『あぁ、言い訳どうするかな……絶対、雷落ちそう…』
僕の母親は根っからの大阪人
故に虐めの事は伝えていない
そんな事、伝えたら最後ニュース沙汰になるのは火を見るより明らかであり、僕はそんなことでニュースなんか出たくない
『でも卒業証書、もらってないし……どうやってはぐらかせばいいかな……』
僕は歩きながら無事だった鞄から二冊の漫画を取り出す
一冊は僕のバイブルである【烈火の炎】一巻と、もう一冊が【ドラゴンボール】一巻だ。
『この二冊があれば少しは勇気出ると思ったけど……』
そう。この二冊の主人公は僕の憧れ。特に花菱烈火!
どんな事にも怖じ気ず、信念を貫く僕の憧れの人!
もちろん、ドラゴンボールの孫悟空も勇気があって強い
だからこそ、この二冊から勇気を分けてもらおうと持って来たけど……
『ただの荷物になってしまった……ほんと、ごめん』
「なっ……おい!?」
二冊の漫画に向かって謝っていたら、後ろから声がして。
顔を上げたら、そこは横断歩道の真ん中で……
「危ない!」
また声がした
そして横に振り返ろうとしたら、そこからはもうスローモーション
でっかいトラックが僕目掛けて突進してきてた
そして僕はその時
何故か安堵した。
あぁ……
これでやっと……
『……今度、出来るなら……』
やっと……
このモノクロの世界が終わる…
『烈火みたいな能力付きで生まれたいな……』
僕の呟きの後、凄まじい轟音と共に僕の視界にあったモノクロに漸く初めての色が…赤が加わった
NEXT...
最終更新
2015/09/01