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東「悪ぃ、待たせたな」

「遅いっすよ、東条さ……」









数分後、目的の場所に着いたみたいで、そこにいた二人組に話し掛ける東条
そして東条の声に反応して振り返った二人の内、グラサンを掛けた男が文句を言おうとしたが、東条の後ろにいた私を見て固まった

つか、顔色が青くなっている
どうした、若者









「ちょっと東条さん!誰ですか、その後ろの子供!?」

東「あ、コイツ晶ってんだ!」

「いや!?名前じゃなくて!」

「…………誘拐?」









焦るグラサンと笑う東条が話していた横で黒縁眼鏡を掛けた男が小さく呟いた。
その呟きにグラサンは更に顔色を青くする。冷や汗も出てきたようだ






東「誘拐じゃねぇよ。保護しただけだ」

「保護って!?駄目っすよ!東条さん!いくら小さいもの好きだからって!!」

『あの……』

「……?」

『私、高校生なんですけど』

「「「……………!?」」」









私が発言したら一気に静かになった。つかグラサンと黒縁眼鏡が目を見開いて固まった。いや、グラサンは分からんけど。
それとは反対に東条は、屈託のない笑顔で私を見ている。
…かと思ったらよく見たら彼もまた固まっていた。
正直、不気味だ。








「高校生…?」

『うん』

「誰が…?」

『私がだ。余り疑うと殴るぞ』








もちろん全力で。

そんな私の考えなど知らないグラサンか「なんか証明書みたいな…」とかほざいたので、とりあえず学生証を渡しておく








「うわ、マジだ。しかも後輩」

東「後輩?お前、石矢魔だったのか?」

『うん。五月に引っ越し、転入してきたんだ』

「あぁ、だから何も知らずに東条さんに付いて来たって訳か」

『何も知らず?』








私が知らないフリをすると、グラサンが丁寧に石矢魔や東邦神姫について教えてくれた。
まぁ、今更だが。








相「俺は三年の相沢だ。で、コイツが同じ三年の」

陣「陣野、かおる……」

『相沢先輩と陣野先輩ですね。私は一年の新堂晶です。』








話の後にお互いに名乗る

その際、相沢に「先輩じゃなくて“さん”な」と言われた。
陣野に至っては「かおるでいい」と言ったので遠慮せず、かおると呼ばせてもらおう








東「なら俺の事は“お兄ちゃん”でいいぞ!」

『……相沢さん。この人、馬鹿なの?死ぬの?』

相「東条さん、それは無いっすわぁ……」









とりあえず東条は表向きは『東条さん』裏で『変態虎男』と呼ぶことにした







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