異能保持者探検記
□@6話 「……待ってました」
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「ブレスレットさんや、街の皆を起こしてちょーだーい」
……しーん。
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「参ったな。……きっかけとかなかったのか?」
「ないない! 私が皆寝ろとか言う訳ないじゃん?」
「そりゃそうだけ、」……ど。
戦慄。悪魔の旋律。
敵意察知、対応策を呼び起こす。
あー、このぞわぞわする感覚は。
「リナリー、マシロ連れて逃げろ。お前の速さなら行けるだろ」
「! ……でも、エクソシストでもないトートが!?」その反応するってことはリナリーも分かってるんだよな。
「案ずるな。ポケモンたちは暴れたくてウズウズしてんだぜ」
「……」
「あ、後これも」
モンスターボールを取り出し、リナリーに手渡す。
「いざという時のためにな」
「やーん、フラグ?」
「マシロうっせぇ。行け」
「……分かった。無理しないでね」
リナリーが瞬足でその場から消えると同時に、天井から槍の雨が降り注いだ。
……だが。
「『まもる』」
緑色で形成された壁が、俺を取り込む。それは完全なる防壁。
いかなる攻撃も、通じない。
フレアは空いた穴に、思いきり火炎をぶち込んだ。熱を帯びた風が顔面に直撃、戦いのゴングが高らかに――。
ホロが、笑った。